静岡の川勝平太知事〝前倒し辞任〟で県政また混乱 後継候補を有利にする思惑か

静岡県庁(Googleストリートビューから)

6月の県議会で辞職する意向を示していた静岡県の川勝平太知事が、今月10日にも辞職願を提出する方針を議会側に伝えていることが8日判明。またも振り回される事態になっている。

川勝氏は今月1日に「県庁はシンクタンク。毎日毎日、野菜を売ったり、牛の世話をしたり、モノを作ったりとかと違い、基本的に皆さま方は頭脳、知性の高い方たち」との職業的差別ともとれる発言が問題視され、辞職の意向を表明。当初、議会での手続きを理由に6月19日開会の県議会で辞職願を出す予定を明かしたが、「ボーナスを受け取る気か」「すぐに辞めろ」と批判を浴び、2か月も前倒しすることになった。

さっそく、知事選を巡っては、川勝氏の下で副知事を務めたことがある元総務省官僚の大村慎一氏が出馬を表明し、旧民主党の元衆院議員で前浜松市長の鈴木康友氏、立憲民主党の渡辺周元防衛副大臣らが出馬を検討するなど、あわただしい動きになっている。

川勝氏が6月辞任の場合は同月20日告示、7月7日投開票が有力視されていたが、10日に辞職願を出せば、知事選は最短で5月9日告示、同26日投開票となる。

リニア中央新幹線の開業問題や川勝県政の是非など数多くの争点がある中、川勝氏は前倒し辞任で、準備期間を与えないことで、意中とする後継候補に有利に事を進めたい思惑も透けて見える。一難去って、また一難で、静岡県政の混乱はまだまだ続く。

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