【NPB】行き過ぎた「ヤジ」「替え歌」を選手はどう感じているか 観戦マナー問題を直撃

神宮球場の大型ビジョンに表示された「観戦マナーのお願い」

コロナ禍が明けた昨今は野球観戦に家族や女性が足を運ぶことも増え、ファンからの行き過ぎた「ヤジ」や「替え歌」が注目されることがある。

もちろん、チームや選手へのエールや愛あるヤジが多く飛んでいることも事実だが、NPBは「試合観戦契約約款」として、監督やコーチ、選手らへの「誹謗中傷その他の迷惑を及ぼす行為」を固く禁じている。各球団も独自で定めた観戦ルールをホームページやSNSで発信するなど、マナーの向上を呼びかけている。

例えば5日のヤクルト―阪神戦(神宮)では、大型ビジョンに「観戦マナーのお願い」として「『チーム、選手を誹謗中傷するようなヤジ』や『侮辱的な替え歌の合唱』はお止め頂きますようお願いいたします。選手を勇気付ける温かいご声援をよろしくお願いいたします」と表示されていた。

そうした注意喚起は各球場でなされているが、一部のファンはラッキーセブンで流れる「東京音頭」や攻撃前のトランペットに「くたばれ読売」と合いの手を入れるなど、マナー違反とも取れる状況が散見されている。

X(旧ツイッター)でも「マジでやめてほしい」、「やりたい気持ちはわかるけど、時代に合わさないとアカン」といった声が上がる。実際にプレーしている選手はどう感じているのか。阪神のある選手は他球団に不快感を与える応援に「マウンドに上がれば聞こえることはありません」としつつも「やっぱりいいものだとは思いませんね…」と顔をしかめた。

かつては、投手がアウトを取るごとにトランペットを演奏する「アウトコール」が応援団主体で行われていたが、2018年のソフトバンクを最後にほぼ消滅するなど、時代に合わせて応援の形も変化している。

球団から「ヤジ」や「替え歌」に関する〝お願い〟が発信されている中、今後の応援スタイルはどうなっていくのか――。

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