【ソフトバンク】12年目・東浜巨にV奪回キーマンの期待 OB加藤伸一氏「力強さが戻った」

3日のロッテ戦では、力投が光ったソフトバンク・東浜巨

プロ野球は開幕から3カードを終えた。パ・リーグでは4連覇を目指すオリックスがまさかの単独最下位に沈む一方、大補強を敢行したソフトバンクは西武と並んで首位タイ。小久保裕紀監督(52)の采配を本紙評論家・加藤伸一氏はどう見ているのか。そして4年ぶりのV奪回のキーマンに指名した右腕は――。

【インハイアウトロー・加藤伸一】ソフトバンクにとって理想の展開だろう。開幕前は不安視されていた先発陣が何しろ盤石。ここまで7人が先発し、いずれも最低でも5回を投げて最多失点が7日のスチュワートと開幕2戦目に完投したモイネロの2点。思った以上の成果で、開幕戦に先発した有原を早くも登板間隔を空けるため、いったん休ませる余裕があるのだから。先発が崩れ、ビハインドの展開から中継ぎを出して逆転を狙うという展開がないのだから、評論もできない(笑い)。

打線は山川がもうひとつだが、前後を打つ柳田、近藤が好調だ。ホークスは選手層が厚く、誰かが不調になっても誰かがフォローしてくれる。打撃陣も順調だ。

ここまでの戦いで唯一のクエスチョンは7日の楽天戦で、2―2の9回にルーキーの沢柳を登板させたこと。守護神・オスナは前日に2失点し、藤井も不調で出場選手登録を外れたとはいえ、プロ2戦目の新人には酷な展開だった。先頭打者を四球で出した結果、サヨナラ打を浴びた。私だったら、あそこは経験豊富な又吉を投入しただろう。まあ、これも余裕の表れなのかもしれない。

とにかく、好スタートを切ったホークスの投手陣で一番注目しているのが12年目を迎えた東浜だ。2017年の最多勝右腕だが、昨年は6勝7敗に終わって二軍生活も経験。真っすぐで押す投球が持ち味だったが、昨年と一昨年はシンカーやスライダーでかわすことが多くなっていた。

それが今季は真っすぐで空振り三振を取っており、球威も最多勝を取ったころに戻ってきている。今季初登板となった3日のロッテ戦では7回4安打1失点の好投。力強さが戻った東浜が4年ぶり優勝へのキーマンになるだろう。(本紙評論家)

© 株式会社東京スポーツ新聞社