広島県三次市/市立三次中央病院建替基本設計、最優秀に山下設計

広島県三次市は「市立三次中央病院建替基本設計業務」の公募型プロポーザルで山下設計を最優秀者に選定、受託候補者とした。近く契約する。業務委託料の上限は1億6900万円(税込み)。履行期間は2025年5月31日。次点は内藤建築事務所。
最優秀案は、将来にわたり、広域医療・救急・災害医療を持続的に提供する『みよしサステナブルホスピタル』の実現をコンセプトに、▽機能的で効率性を追求した計画と変化を見据えた持続性の高い設計▽安全で分かりやすい外来動線とチーム力を高める職場環境を実現▽建設費を抑え、限られたスタッフと少ないコストで運営できる計画▽周囲の緑と連続する屋外空間と眺望を生かしたパノラマ病棟を整備-の4項目を重視。建物は地下1階地上6階建て、3階までの低層部と高層部で構成している。
審査講評では、評価テーマに対する技術提案の的確性、独創性、実現性で優れている点を高く評価。「病室へのアクセスの容易さ、見通しのよい病室配置、安全性の高い病室レイアウトなど、医療安全の向上と優れた療養環境を両立している点で患者に優しい病院を目指した提案」「スタッフに優しい病院の面では、動線が短く、限られた人数でも全個室の入り口が見通せる病棟の平面計画」などで優れていると評価した。
現市立三次中央病院(東酒屋町10531)を稼働させながら現在地建て替えするための基本設計業務を行う。計画規模は8階建て程度延べ約2万7000平方メートル、病床数は280床。構造は免震構造とし、躯体構造は設計者の提案による。工事費は、病院建設、駐車場・外構工事などで約193億6000万円(税込み)を見込んでいる。

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