大成建設/技術センターZEB実証棟がゼロウォータービルの国際認証取得

大成建設は、横浜市戸塚区の技術センター内にある「人と空間のラボ(ZEB実証棟)」のゼロウオータービル化を実現した。ZEB実証棟の敷地や建物で使用する水について、年間の上水使用量を代替水となる雨水や再利用水の合計が上回った。人や環境に考慮した建物を評価する国際認証制度として、1月31日付で米グリーンビルディング協会の環境性能評価制度(LEED)の上水利用実質ゼロ達成を評価する「LEED Zero Water」認証を取得した。
2022年10月~23年9月の1年間、約15人の職員が利用しているZEB実証棟(3階建て延べ約1400平方メートル)を対象に、同認証の取得を目指した技術実証に取り組んできた。
技術実証で最初の23年2月までの5カ月間は、屋上にある太陽光パネルに降った雨を無動力でタンクに貯留した雨水を利用。トイレの洗浄水として再利用した。給排水設備改修による「雑排水再利用システム」導入後の23年3月以降、新たに手洗いや流し台の雑排水も再利用。雨水と合わせトイレの洗浄水や敷地内緑地への散水にも充てた。
技術実証の結果、年間使用水量は雑排水再利用システム導入後から上水の使用量(94立方メートル)を、雨水と再利用水の合計量(98立方メートル)が上回り、同認証の取得基準を満たした。雨水利用時だけの場合に比べ上水使用量は34%減となり、雨水と再利用水の合計量は130%増加した。
大成建設は今後、大小さまざまな規模の新築・既存ビル改修のプロジェクトで同認証の普及や拡大を支援し、環境価値向上に貢献していく。世界的に認知された同基準の特性を踏まえ、国内企業だけでなく外資系企業のプロジェクトにも展開できると見ている。

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