【早出し】敬う心、将棋駒に込め 天童・羽生会長揮毫モニュメント除幕

将棋モニュメントの除幕を行う羽生善治会長(右から2人目)や山本信治市長(左から3人目)ら=天童市・JR天童駅東口広場

 天童市が2023年度の市制施行65周年を記念して整備した将棋モニュメントの除幕式が8日、同市のJR天童駅東口広場で行われた。文字を揮毫(きごう)した日本将棋連盟の羽生善治会長が出席し、新たなシンボルの誕生を祝った。

 市は、将棋を▽つくる▽指す▽魅せる-の3本柱で、まちづくりを進めている。新モニュメントは、この「3」に関連付け、将棋駒3枚を組み合わせたデザインにした。高さ275センチ(うち将棋駒の高さは160センチ)、幅350センチ、奥行き374センチの大きさで御影石製。夜間はライトアップも行われる。

 3面全てに羽生会長が揮毫し、各面に「克己復礼(こっきふくれい)」「将棋のまち天童」「王将」の文字が並ぶ。「克己復礼」は「私情や欲望に打ち勝ち、社会の模範や礼儀にかなった行いをすること」の意味。将棋は礼に始まり礼に終わると言われ、羽生会長は対局相手への敬意を忘れないようにとの思いで、言葉を選んだ。

 除幕式で山本信治市長が「新たなシンボルが市の玄関口に完成した。大変忙しい中、揮毫いただいた羽生会長に感謝する」とあいさつ。羽生会長は「私自身の揮毫が残ることに、やや気恥ずかしさもある。駅に降り立った皆さんが、将棋のまちを訪れたと実感してもらえればうれしい」と述べた。

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