人吉高100周年、先輩から後輩へ提言 実業家や学者、政治家など153人の寄稿集が完成

「人高の澪」の編集の中心となった津野田公子さん=3日、人吉市

 2023年に創立100年を迎えた人吉高(人吉市)の周年記念事業実行委員会が、卒業生の寄稿集「人高[じんこう]の澪[みお] ~先輩から後輩へのメッセージ」を制作した。「百年史」の別冊で、実業家や学者、政治家、芸能人ら多方面で活躍する〝先輩〟からの言葉をまとめている。

 実行委が4年前から執筆を呼びかけたところ、153人が手記を寄せた。「後輩への励まし・提言」「スペシャリストへの道」「転機となった出会い」など内容は多彩。20年の熊本豪雨の記述をまとめた「災害復興に向けて」を含む8章に分けて掲載した。

 人吉高初の女性総務委員長(生徒会長)だった甲斐カズ子さん(84)=1958年卒、宮崎県西米良村=は、委員長に選ばれた際の周囲の応援や戸惑いの様子を記した。日本青年団の第4回海外派遣によるインド、ネパール訪問、北方領土へのビザなし渡航の経験に加え、ロシアのウクライナ侵攻についての考えもつづった。

 編集の中心となった津野田公子さん(74)=68年卒、人吉市=は「若い人の人生の道しるべになる内容になった。後輩に限らず多くの人に読んでほしい」。球磨郡市の図書館に置き、今春卒業の生徒、在校生にも配った。A4判、328㌻。3千円。人吉高同窓会☎0966(22)2261。(東寛明)

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