脱毛施術の前に知っておきたいこと(1)医療か美容か…希望はどっち?

ヒゲやアンダーヘアは痛みが強め

春めいてきたこの頃。薄着の季節になると俄然気になるのが自分の体毛だ。最近は女性、男性、年齢を問わず脱毛をする人が増えている。脱毛を行う前に知っておきたいことを、男性専門の医療脱毛専門院「メンズリゼ」総院長の赤塚正洋医師に聞いた。

脱毛には「医療脱毛」と「美容脱毛」がある。違いは?

「『医療脱毛』は医師または医師の監督・指示のもとで看護師が行う脱毛で、毛を生やすもととなる組織を医療用レーザー脱毛機を使用して破壊します。組織を破壊する行為自体が医療行為にあたるため、脱毛は医療機関でのみ可能です」

一方、美容脱毛は医師や看護師が在籍していないエステサロンで行われる。医療資格のないスタッフが施術を行うので、医療用レーザー脱毛機は使用できない。エステサロンで使用する光脱毛機は出力が弱く、組織破壊とまでいかないので、脱毛ではなく制毛や除毛となる。

体毛が気になるといっても、「絶対脱毛!」という人もいれば、「目立たなくなればいい」という人もいる。だからまず検討すべきは、医療脱毛(脱毛)か、美容脱毛(制毛・除毛)か。どの程度の期間で、どのぐらいの脱毛効果にするかイメージすると決めやすい。

脱毛料金の安さをアピールするサロンもあるが、金額だけに惑わされず、必ずカウンセリングを受けたうえでクリニックやサロン、コースを選ぶようにしたい。

「特に確認すべきは次の5つです」

(1)希望部位のプランや料金体系などでの通いやすさ

(2)予約の取りやすさ、キャンセル時の対応

(3)施術方法(機械の種類、剃毛方法、痛みへの配慮・麻酔の有無など)

(4)医師による問診、肌状態の確認やリスクの説明の有無

(5)肌トラブルが発生した際の治療やアフターケア

「例えば、医療脱毛では痛みやリスクが伴います。起こり得るリスクについて、あらかじめ医師からきちんと説明を受けて理解し、納得をしたうえで選ぶことが大切です」

■ヒゲやアンダーヘアは痛みが強め

医療脱毛の痛みは、どの程度だと思っておけばいいのだろう。

「痛みの感じ方には照射部位や、毛の密度や太さ、また皮膚の状態や体調、使用する医療機器で差がありますが、『熱い飲み物の入ったマグカップを当てたような痛み』『ゴムではじかれたような痛み』と表現される方が多いです。男性のヒゲやアンダーヘアは毛が太いため、痛みを感じやすい部位となります」

痛みに耐えられない場合は麻酔を使用してくれるクリニックもあるので、カウンセリング時に確認を。

体毛に白い毛が多い人は要注意だ。医療脱毛や光脱毛は、医療レーザーや光が黒いメラニン色素にのみ反応するという特性を利用して毛根にダメージを与える。そのため、メラニン色素が存在しない、もしくは薄くなってしまった白い毛にはレーザーや光が反応せず、脱毛効果を得ることができない。白い毛を脱毛する唯一の方法は、針を使った脱毛だ。

「針脱毛とは、特殊な針を一つ一つの毛穴に刺して電気を流す脱毛方法です。脱毛の可否をメラニン色素の有無に左右されないので、白い毛でも脱毛効果が得られます。しかし、針脱毛はすべての脱毛を手作業で行うので、脱毛する本数が多いと費用が高額になったり、施術時間が長くなってしまうデメリットもあります」

それゆえに、医療脱毛をして残った白い毛のみ施術を行う場合や、細かなデザインの調整が必要な眉毛の脱毛、また、硬毛化してしまった部位の脱毛など、限定的な部位のみの施術が一般的だという。

針脱毛は痛みも強く感じやすいそう。脱毛を検討するなら白い毛になる前に、がよさそうだ。

■脱毛箇所トップ3

男性で脱毛をする人が増えている。「メンズリゼ」では、患者数(男性)が2018年ごろから増加傾向にあるそうで、「13年9月1日~14年8月31日」から「21年9月1日~22年8月31日」の9年間を比較すると「212倍増」となっているそうだ。

「メンズリゼ」で、実際に施術されている脱毛箇所トップ3は、①ヒゲ脱毛②全身脱毛③デリケートゾーン脱毛(Vライン・肛門周囲・男性器周囲)である。

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