彬子さま連鶴体験 桑名の六華苑視察、完成に笑顔 三重

【連鶴「花見車」を仕上げて喜ぶ彬子さま(左)と桑名の千羽鶴を広める会の長坂代表(右端)ら=桑名市桑名の六華苑で】

 三重県桑名市桑名の六華苑を8日午後、訪れた三笠宮家の彬子さまは、鹿鳴館などを手がけたイギリス人建築家ジョサイア・コンドルが設計した洋館や、和館を視察し、和館内で「桑名の千羽鶴を広める会」の長坂喜代美代表から同市無形文化財の「桑名の千羽鶴」について説明を聞かれた。

 広める会の山中喜子副代表が1枚の和紙から親鶴1羽と子鶴2羽、計3羽の連鶴を折る実演を始めると、彬子さまは「お早いですね」と感心し、折る作業を途中でバトンタッチして自ら体験。全て折る予定ではなかったが、「せっかくですから」と親鶴の後半と子鶴2羽を約7分でスムーズに折り上げた。

 折りながら「キャラメルの包み紙とか折るのが好きで」と話し、完成時には笑顔で喜び「鶴が折れれば何とかなりますね。いとこの間で不器用と言われているので」などと謙遜した。

 長坂代表は終了後、「とても明るい方で、何より鶴を上手に折り上げてくれたことが一番うれしかった」、山中副代表は「とても親しみやすい、気さくな感じがした。鶴の折り方がとてもきれいで感心した」などと感想を話した。

 桑名の千羽鶴は、1枚の紙から複数(最高97羽)の連なった鶴を折る連鶴。江戸時代に長円寺(現桑名市)の住職だった魯縞庵義道(ろこうあんぎどう)が考案した折り方のうち、49種類を紹介する「千羽鶴折形」(1797年刊行)という本が残る。同書は世界最古の遊びの折り紙の本で、その折り方が市無形文化財に指定されている。

 一方、水谷芳春・市生涯学習課長の案内で施設を視察された彬子さまは、洋館の手すりの模様が「マッキントッシュ風ですね」などと話しながら細部まで興味深く見学していたという。

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