カナダの過去2回の選挙、中国が干渉=情報当局

David Ljunggren

[オタワ 8日 ロイター] - 国内選挙への海外からの干渉を調査するカナダの委員会は8日、過去2回の選挙に中国が介入したとする国内情報機関の報告書を確認した。

トルドー首相率いる自由党は2019年と21年の選挙で勝利した。中国の選挙関与疑惑を巡り野党議員の不満が高まっていることを受け、トルドー氏は海外からの選挙への干渉を調査する委員会を設置した。

委員会ではこの日、カナダ安全情報局(CSIS)が2023年2月に行ったブリーフィングの抜粋を含む資料が提示された。

CSISは「中国が19年と21年の選挙に密かに干渉したことを確認している」とし、「どちらのケースにおいても、こうした外国からの干渉は現実的なものであり、中国政府の関心事において親中国もしくは中立的な立場と見なされる人物を支援することに焦点が当てられている」と説明した。

外国勢力が介入を行っても法的・政治的な対応が取られることがないとし、海外からの介入はローリスク・ハイリターンだと指摘した。

21年の選挙戦で保守党を率いたエリン・オトゥール氏は、中国の干渉によって保守党は最大9議席を失ったと推計する。ただ、選挙全体の流れは変わらなかったとの見方を示している。

アナリストと保守党は、トルドー政権が中国の干渉に十分対応していないと批判している。

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