松木玖生「気は抜けない」 2アシストでの活躍でU-23アジア杯へ…突破に決意「やるだけ」

FC東京の松木玖生【写真:Getty Images】

FC東京は鹿島に2-0で勝利

前節の浦和レッズ戦(2-1)でシーズン初ゴールを挙げたFC東京のU-23日本代表MF松木玖生は、4月7日に行われたJ1リーグ第7節鹿島アントラーズ戦で2つのアシストを記録。2-0の勝利を呼ぶ活躍を見せ、U-23アジアカップを戦うカタールへと向かった。

前半をスコアレスで折り返して迎えた後半10分、左サイドでDFバングーナガンデ佳史扶からパスを受けた松木は、ゴール前へクロスを入れる。そこにこの試合でセンターフォワードに起用されたFW仲川輝人が飛び込み、ヘディングで今季の初ゴールを記録した。

このアシストについて、松木は「佳史扶くんからボールを受けた時の位置が、ピーター(・クラモフスキー監督)から個人的に『あそこからなら、アーリークロスも狙っていけ』と個人的に言われている位置でした。ちょうどテルくん(仲川)が走っているのが見えて、上手く合わせられたので良かったかなと思います」と、振り返った。

そして2点目のアシストが生まれたのは後半アディショナルタイム7分。鹿島が猛反撃に出てきたなかで、FC東京は時間を進めようとしていた。松木も足がつってピッチに倒れこむなど、時計の針を進めつつも、プレー再開後には猛ダッシュを見せ、最後までチームのために戦っていた。そのなかでボールを途中出場していたMF原川力に渡すと、原川が豪快なミドルを決めて見せた。

もちろん、これもアシストになるが、松木は「あれはもう力くんがスーパーだったので、アシストをつけてくれてありがとうございますみたいな感じです」と、ダメ押しゴールを決めた原川に感謝した。

強豪の鹿島を相手に逃げ切るだけではなく、ダメ押しゴールも決めることができたが、松木は「前半はちょっと引きすぎていた感じがあった。そこは課題ですし、自分たちがもっとセンターバックに押し出してプレスをかけたりできたと思うので、自分的にはプレスが上手くいっている感じはしなかった」と反省を述べ、そのうえで「鹿島を相手にこういった堅い試合を勝てたのは大きいことだと思います。連勝もできたし、チームの雰囲気も最高だと思うので、このまま継続して、慢心せずにやっていけたら、もっとチームが良くなるかなと思います」と、コメントした。

この試合後、松木はU-23日本代表としてU-23アジアカップを戦うため、チームを離れる。前節の浦和戦でのゴール、そして今節の2アシストとゴールに絡んだ松木だが、チームを離れる前にしっかりと勝ち点を残さないといけないという決意がプレーにもにじんでいた。

だが、松木は「常に結果を残したいと思っていますし、今日はゴールがなかったのですが、もうちょっとシュートを打てたら変わると思うので、そこは狙っていきたいと思います」と、特別なことではないと否定した。

昨年6月にU-20ワールドカップ(W杯)を戦っている松木は、パリ五輪出場権を懸けたカタールでの決戦に向けて「こういうのは一発勝負なので、中2日の疲労もあると思いますが、そういうのは言い訳にできない。常に1試合を大切に戦っていけたらいい」と言い、グループリーグ敗退を喫したU-20W杯の経験を生かせるかという問いにも「(当時より)レベルも相当上がっているので、やるだけだなと思っています。ただ、一発のカウンターだったりが怖いと思いますし、アジアもレベルが高くなっているので気は抜けない」と、相手を警戒しながらも世界の舞台へのリベンジへ自信を見せた。(河合 拓 / Taku Kawai)

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