【DeNA】「大魔神・佐々木」超えまであと20セーブ 山崎康晃は投球もコメントも大人になった

守護神・山崎康晃

【赤ペン! 赤坂英一】「抑えは固定しません。みんなです。ブルペンの全員でやっていきます」

開幕早々、首位を走るDeNA・三浦監督は抑えの人選についてキッパリとこう断言している。

「昔と違って、絶対的な守護神を置くだけが全てじゃない。1人を全試合待機させるのではなく、相手との相性、その日のコンディションによって抑えを代えます。故障で離脱されるのがチームにとって一番痛い。休ませながら起用すれば、1年を通していいパフォーマンスを出せるでしょう」

だからといって、行き当たりばったりで抑えをやらせるわけではない。誰を起用するかは首脳陣が協議して決定し、試合前に投手コーチから投手本人に伝えられている。

開幕9試合のセーブ数は森原が2、山崎が3。その山崎の投球を三浦監督はこう評している。

「若いころはツーシームと真っすぐで、力でねじ伏せにいっていたのが、かなり変わりましたね。回の先頭打者を出して、しびれる場面でクリーンアップを迎えても、慎重に投げている。1球1球に重みを感じるし、大人のピッチングですよ」

しかし、そこでファンにとっては少々気になることがひとつ。あと20に迫っている山崎の通算250セーブ、日本選手歴代5人目の記録達成がいつになるのか、だ。

250セーブ到達の最年少記録はベイスターズの先輩・佐々木の32歳4か月。10月2日に32歳の誕生日を迎える山崎が今季中に残り20セーブを積み重ねれば、最年少記録を更新できるのだ。

しかし、抑えが交代制となると、今季中の達成は微妙になる。長年守護神として君臨してきた当の山崎は、現在の起用法をどう考えているのか。

「指揮官が抑えは全員でいくと言えば、僕としても右向け右です。それをまっとうするのが選手のやりがいですよ。コーチもコミュニケーションを取ってくれてますし」

最年少記録達成にこだわりはないのだろうか。

「そういう目先の数字を追ったら、自分の投球を崩してしまいます。今は(山本)祐大のリードやバックの守備とか、仲間に助けられている。ブルペン陣はみんな持ちつ持たれつ。僕の1セーブより、みんなの力を合わせて最後を締める。そういうところにフォーカスしてやっていますから」

最後に「そういう中で、いつかその時(記録達成)が来ればいいなと思いますね」と言いながら、山崎は穏やかな笑みを浮かべた。投球はもちろん、コメントも大人になったと思わせる回答だった。

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