“パストロノート”の愛称で親しまれる49ers新QBドブスが日食を見にクリーブランド帰還

ジョシュア・ドブス【AP Photo/Abbie Parr】

現地8日(月)に起こった日食に全米が注目する中、“Passtronaut(パストロノート)”が歴史的な鑑賞会に参加するためにクリーブランドに戻っている。

今オフシーズンにサンフランシスコ・49ersと契約したクオーターバック(QB)ジョシュア・ドブスには、2度にわたってクリーブランド・ブラウンズに在籍した経験がある。29歳のドブスは49ersの将来性と、クリーブランドにあるNASAグレン研究センターから歴史的な瞬間を垣間見る機会に、同じように興奮しているようだ。

月曜日、ドブスはNASAのライブ配信で「いい気分、いい気分だ」とコメント。

「楽しい時間だ。ここクリーブランドで数年間を過ごし、その間にNASAグレンで楽しい時間を過ごす機会があった。だから、クリーブランドに戻ってきて日食を見るのは最高だ。でも、サンフランシスコでの将来を楽しみにしている。NASAが西海岸で素晴らしい仕事をしているのは知っているから、そっちにも注目できるだろう」

テネシー大学出身のドブスは航空宇宙工学の学位を持ち、『ASTROordinary Dobbs Foundation(アストロオーディナリー・ドブス基金)』を設立している。それゆえに、昨シーズンにミネソタ・バイキングスを一時的に奮い立たせた際に、ドブスの“パストロノート”というニックネームは一躍有名になった。

現在、49ersに在籍しているドブスには、ピッツバーグ・スティーラーズ、クリーブランド・ブラウンズ、テネシー・タイタンズ、アリゾナ・カーディナルス、バイキングスで過ごした経験がある。

『Associated Press(AP通信)』によると、皆既日食は1年から3年に1度起こるものの、太平洋上や南極大陸など、人が見ることのできない場所で起こることがほとんどだという。次に皆既日食が見られるのは2026年で、その経路はグリーンランドから始まり、アイスランド、スペインへと続く。しかし、北米で次に皆既日食が見られるのは2033年のアラスカだ。そのため、月曜日は特別な瞬間となっている。ブラウンズ在籍時からその日に印をつけていたドブスは、次のようにコメントした。

「約1年前、前回のオフシーズンにこの出来事が起こると知ったときに、彼らが“日食がクリーブランドを通る。一生に一度の出来事になるだろうから、ぜひここにきてほしい”と言ってくれた。この美しい五大湖でそれを経験することができる。だから1年前にカレンダーに印をつけた。しかも、今日は素晴らしい天候に恵まれた。ここに戻ってきて、皆既日食を見て、2年間暮らした街で過ごす時間を得られたのは最高だ。一番心が踊ったのは、クリーブランド市からの関心と、今日の出来事を見るために多くの人がこの地を訪れるのを目の当たりにできたことだ。それから、NASAの未来や宇宙開発の未来についても同時に学ぶことができた。一生に一度の機会だし、この場にいられることを光栄に思う」

ドブスがブラウンズの一員としてレギュラーシーズンの試合に出場したことは一度もない。2022年のオフシーズンにブラウンズと契約したものの、11月にリリースされたドブスは、同じシーズンにテネシー・タイタンズでNFLでの初先発を経験した。2023年には再びブラウンズに加入するも、トレードでカーディナルスに移籍。2023年シーズン中に2度目のトレードに出されてバイキングスに加わったドブスは、獲得されてからわずか数日後に行われたシーズン第9週の試合でベンチを離れ、アトランタ・ファルコンズ相手にバイキングスをスリリングな勝利に導いた。

続くニューオーリンズ・セインツ戦でも好プレーを見せて勝利をもたらしたことで、パストロノートことドブスの評価はこの世のものとは思えないほど急上昇した。

未来のQBを鼓舞することに一役買っているドブスは、月曜日のような日が将来のエンジニアや科学者を鼓舞すると信じている。

「ここには外の事象だけじゃなくて五大湖科学センターの中も見て回れる青少年がたくさんいて、宇宙計画の歴史を目の当たりにしている」と語ったドブスはこう続けた。

「それはNASAと同じように、彼らに新たな視点を与えると思うし、それが俺の考え方だ。若者たちはもちろん、次の世代を生きていて、世界にものすごく大きな影響を与えることになると思う。STEM(サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング、マスマティクス)に興味があって、スポーツも得意なら、リスクを分散させる必要はない。向かっていって、すべてを賭けて、目標や夢に向かって懸命に努力すればいいんだと、ここにいる若者や全国の若者を鼓舞することができる」

【RA】

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