「春の嵐」神奈川で激しい風雨 箱根で150ミリ超、川崎で仮囲い倒れる

仮囲いが倒れ道路が封鎖されている解体現場=9日午前11時半ごろ、川崎市中原区上小田中7丁目

 前線や低気圧の影響で神奈川県内は9日、激しい風雨に見舞われた。降り始めからの総雨量は午後1時までに箱根町で156.0ミリに達し、横浜市中区では最大瞬間風速25.8メートルを観測した。横浜地方気象台は横須賀、三浦両市に波浪警報を発表し、高波への警戒を呼びかけた。

 県西部を中心に雨量がかさみ、午後1時までに山北町で91.5ミリ、小田原市では73.5ミリを観測。箱根町では午前7時過ぎに1時間30.0ミリの激しい雨が降った。県内各地の最大瞬間風速は藤沢市辻堂で23.2メートル、海老名市で19.2メートル、三浦市で19.3メートル。

 同気象台によると、県内は低気圧と前線が9日にかけて本州南岸を北東へ進み、暖かく湿った空気が流れ込む影響で大気の状態が不安定となり、朝から強い雨が降った。

 JR東日本によると、東海道線が茅ケ崎─平塚間での強風の影響で、午前9時55分ごろから同10時50分ごろまで東京ー熱海間の上下線で運転を見合わせた。

 久里浜(横須賀市)と金谷(千葉県富津市)を結ぶ東京湾フェリーは海上の荒天のため、午前8時20分の便から運航を見合わせていたが、午後4時15分の便から再開した。

 東日本高速道路によると、東京湾アクアライン(浮島ジャンクション─木更津金田インターチェンジ)も強風のため、午前10時半から午後1時45分まで通行止めとなった。

 川崎市中原区上小田中7丁目のビル解体工事現場では午前10時半ごろ、強風で4階建て建物の足場と囲いが電線に倒れ、道路が封鎖された。中原署によると、けが人はいないという。東京電力パワーグリッドによると、現場周辺の最大約820軒で停電が発生し、同社が原因を調べている。近くに住む70代女性は「ドーンと大きな音がして、同時に停電になった」と話していた。

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