新NISAで積立投資をした場合のシミュレーション結果を公開
2024年2月22日、日経平均株価が34年ぶりにバブル絶頂期以来の史上最高値を更新しました。
こうした株価の上昇は投資家に利益をもたらすだけでなく、個人消費が刺激されることで企業の業績改善につながることから日本経済の成長にもつながっていくことが期待されます。
近年では、物価上昇で私たちの生活にも影響が出ていますが、今回の株価の上昇は給与にも影響を及ぼしているのでしょうか。
また、所得に変化があった人たちには、投資に対する考え方にも変化があったのでしょうか。所得を上げるための手段として投資を活用している方はどれくらいいるのでしょうか。
今回は、全国の20代~60代男女の合計1007人を対象にした「所得×投資」に関する意識調査の結果をお伝えするとともに、新NISAでの積立投資シミュレーションを紹介します。
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【2024年の給与】昨年に比べて「給与が上がった」と回答した方は約4割
ここからは、We Capital株式会社「「所得×投資」に関する意識調査」の調査結果をご紹介していきます。
調査概要は以下の通りです。
<調査概要>
- 「所得×投資」に関する意識調査
- 調査対象者:全国の20代〜60代の男女
- 調査期間:2024年3月7日(木)〜2024年3月8日(金)
- 調査人数:1007人
- 調査対象:調査回答時に20代~60代男女と回答した全国のモニター
- 調査元:We Capital株式会社(https://we-capital.co.jp/)
- モニター提供元:ゼネラルリサーチ
はじめに、2024年の給与の変化についてうかがいました。
「2023年と比べて2024年の給与に変化はありましたか?」と質問したところ、約6割が「下がった・変化はなかった(60.1%)」と回答。給与が増えたことを実感している人は少数派であることが分かりました。
次に、「現在、投資をしていますか?」と質問をしたところ、約半数の方が「はい(53.9%)」と回答。
これまで投資をしていなかった方も、34年ぶりに日経平均株価の最高値を更新したことをきっかけに興味を持ち始めた方もいるかもしれません。
ただし、投資をしている・していないに関わらず、日経平均株価が最高値を更新したことによる経済効果については実感ができていない人が多いようです。
約7割が「株価上昇と給料は連動していない」と回答
一般的には、日経平均株価が上がると株主の利益が増えるため株を買い足しやすくなります。
株価の上昇により企業の時価総額が上がり、その影響が社員の給料やボーナスに反映されると言われています。
では、私たちの給料の額面にその影響は反映されているのでしょうか。
そこで、「株価最高値と連動して今後の給料は上がると思いますか?」と質問したところ、約7割が「あまりそう思わない(46.0%)」「まったくそう思わない(25.3%)」という回答結果になりました。
約7割の人が、株価上昇と給料は連動しないと考えており、給料アップは期待できないと捉えているようです。
【投資をしている人】約7割が「投資は総所得を上げる手段として有効」と回答
ここからは、「投資をしている」と回答した人に、どのような投資をしているかについてうかがっていきたいと思います。
「どのような投資をしていますか?(複数回答可)」と質問したところ、「株式投資(67.6%)」や「投資信託(55.8%)」が突出して多い回答になりました。
また、今回の34年ぶりの株価最高値による影響について「投資の利益にどのような変化がありましたか?」と質問したところ、約7割が「とても上がった(18.6%)」「やや上がった(51.9%)」と回答しました。
物価上昇や賃金の変化がない中で、約7割の方が株価の上昇によって投資の利益が上がったと感じているようです。
では、投資を行うことで総所得が上がる見込みがあると思う方はどのくらいいるのでしょうか。
さらに、「今後投資を行うことで総所得が上がる見込みがありますか?」という質問をしたところ、「とてもそう思う(17.7%)」「やそう思う(56.2%)」という回答結果になりました。
約7割の方が、投資を行うことで総所得が上がる見込みがあると期待しているようです。
では、ここからは実際に新NISAで積立投資をした場合、本当に総所得が上がる見込みがあるのかをシミュレーションしてみたいと思います。
実際に新NISAで運用してみたらどうなる?20年後の資産額をシミュレーション
ここからは実際に新NISAを始めて20年経過した場合、運用益がいくらになるか確認しましょう。
想定利回りが年3%で20年間、積立投資を続けた場合いくら運用益が出るのか、毎月の積立額ごとにグラフでシミュレーションします。
毎月3万円で積み立てた場合
- 投資元本:720万円
- 運用収益:264万9000円
- 合計金額:984万9060円
毎月3万円ずつ積立投資を20年間継続した場合、投資元本720万円に対して運用収益が264万9000円となりました。
最終積立金額は984万9060円になります。
毎月5万円で積み立てた場合
- 投資元本:1200万円
- 運用収益:441万5000円
- 合計金額:1641万5100円
毎月5万円ずつ積立投資を20年間継続した場合、投資元本1200万円に対して運用収益が441万5000円となりました。
最終積立金額は最終積立金額1641万5100円になります。
毎月7万円で積み立てた場合
- 投資元本:1680万円
- 運用収益:618万1000円
- 合計金額:2298万1140円
毎月7万円ずつ積立投資を20年間継続した場合、投資元本1680万円に対して運用収益が618万1000円となりました。
最終積立金額は2298万1140円になります。
長期投資には、複利効果とリスク分散の効果が期待できるため、効率よく運用することができます。
新NISAでの資産運用は開始時点で利益が確定するものではなく、元本割れのリスクを伴いますが、積立投資をすることによってリスクをできる限り抑えて運用することができます。
シミュレーションを見ると、利益部分だけでも数百万円の資金が増えていることから、投資をしている人が「投資を行うことで総所得が上がる見込みがある」と期待するのも頷ける結果となりましたね。
新NISAを活用して自分の総所得を増やそう
今回は所得と投資の関係について調査結果を踏まえながら、実際のシミュレーションで資産運用の効果を確認してきました。
34年ぶりの日経平均株価の最高値を更新したことをきっかけに、投資などの資産運用に興味を持ち始めた方もいるかもしれません。
新NISAは、非課税で保有できる期間が無期限となっているので、将来の資産形成に役立つ制度です。
毎月のやりくりから少額だけでも積立投資に回せば、長期投資の効果からまとまった利益を得られる可能性があります。
この機会に、ご自身の総所得を増やすための方法を考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 金融庁「資産運用シミュレーション」
- We Capital株式会社「「所得×投資」に関する意識調査」