ぬくもりある新校舎 熊本県内初の夜間中学「ゆうあい中」 熊本地震の仮設住宅再利用

熊本県立ゆうあい中の外観=9日午前、熊本市中央区(小野宏明)
熊本県立ゆうあい中の内覧会があり、机や教科書などがそろえられた教室内を説明する小原ひとみ校長=9日午前、熊本市中央区(小野宏明)

 熊本県内初の夜間中学校「ゆうあい中」の内覧会が9日、熊本市中央区の現地であった。熊本地震の応急仮設住宅を再利用した校舎はぬくもりある雰囲気に包まれ、新たな学びを志す新入生を待っている。同校は湧心館高の敷地内にある。

 木造平屋の校舎は床面積約400平方メートル。南阿蘇村にあった仮設住宅の資材のほか、LED照明やサッシなども使用した。学年ごとの三つの教室(各57平方メートル)には、生徒の習熟度に応じて指導ができるよう、中央に開閉可能な仕切りを設置。校舎中央の共有スペースでは、学年を問わず生徒たちが交流できる。

 ゆうあい中は県内在住の15歳以上で、義務教育を未修了、または十分に学ぶことができなかった人が対象。11日は開校式と入学式があり、10~80代の31人が入学する。小原ひとみ校長は「夢や目標を持った生徒たちの学びたいという思いを受け止めて、共に成長していきたい」と話した。(上野史央里)

書道家の武田双雲さんが揮毫(きごう)した熊本県立ゆうあい中の校名看板=9日午前、熊本市中央区(小野宏明)
熊本県立ゆうあい中の職員室。柱や天井の照明など、熊本地震の仮設住宅で使用された資材を再利用している=9日午前、熊本市中央区(小野宏明)
熊本県立ゆうあい中のホールには、校名に込められた思いが書かれていた=9日午前、熊本市中央区(小野宏明)
熊本県立ゆうあい中の校歌。生徒に分かりやすいように平仮名書きされている=9日午前、熊本市中央区(小野宏明)

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