経営危機のB2青森ワッツ、運転資金4千万円確保 来県の島田チェアマン「状況好転している」

青森ワッツの状況について説明する島田チェアマン(左)と北谷社長(左から2人目)=8日、青森市の東奥日報社

 経営危機に陥っているプロバスケットボールBリーグ2部(B2)青森ワッツの運営会社は8日、今期(2023年7月~24年6月)の運転資金などに必要な5千万円のうち約4千万円が集まったことを明らかにした。資金確保はチーム存続や来シーズンのB2ライセンス交付に向けた重要な要素の一つ。リーグの島田慎二チェアマンは「状況は好転している」との見方を示し、あと一歩の支援を呼びかけた。

 ワッツの運営会社「青森スポーツクリエイション(ASC)」の北谷稔行社長が島田氏らとともに青森市の東奥日報社を訪れ、同社の釆田正之社長に現状を説明した。

 ASC社を巡っては、昨年7月に同社の経営に参画した筆頭株主が経営破綻。ASC社は3月2日の会見で約3800万円の債務超過に陥っていることを説明。運転資金などに5千万円が必要-として、応援口座開設や支援ステッカーを製作するなどして支援を募っていた。北谷社長によると、その後、口座への寄付やステッカーなどの物販収入、スポンサー企業の協力などで約4千万円が集まったという。

 島田氏は取材に「1カ月前に5千万円足りないと言っていたのが4千万円集まった。好転しているのは事実」と指摘。「だからこそ状況をお伝えして、ファンや県民の皆さまの間に『もう一歩応援したい』という空気感を醸成したかった」と来県の目的を語った。リーグでは現在、破綻した筆頭株主の管財人とオーナー候補の間で調整などに入っているという。

 北谷社長は周囲の支援に感謝し「存続はもちろん、B2ライセンス取得を必ず報告できるように突っ走っている。引き続きご支援いただければ」と呼びかけた。

 北谷氏と島田氏は8日、青森市役所を訪れ、西秀記市長にも現状を報告した。

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