R.N.A.オーガニズム、未発表ミックス音源集『Unaffected Mixes plus』がヴァイナル化

日本のポスト・パンク期を代表するユニットとして再評価の機運高まる“R.N.A.オーガニズム”の未発表ミックス音源集『Unaffected Mixes plus』が、2LPで4月25日(木)に発売されます。

R.N.A.オーガニズムは、京都を中心に活動していた匿名ユニット。0123、Chance、Tetsuの3人により1978年に結成。宅録とスタジオライヴで趣味的活動を続け、翌年Tetsuの脱退と同時にZeroが加入。その時期の録音で当時唯一のアルバム『R.N.A.O Meets P.O.P.O』を、70年代後半~80年代前半にかけて存在した先鋭的レーベル「Vanity Records」より発表。EP-4の佐藤薫がプロデュースした最初のグループとしても知られています。

『R.N.A.O Meets P.O.P.O』は、都会的なアフォリズムとエレクトロ・ミニマリズムを背景として、さまざまなガジェットを用いたスーパーチープなオルタナ・ダブがされた作品。海外を中心に「日本の元祖ミュータント・ポップ」などと評され、Vanity作品の再発ラッシュも相まって話題となっていました。

2020年に同レーベルのボックスセット限定で未発表ミックス集『Unaffected Mixes』を発表し、単独での同作品発売が待たれていましたが、2021年に収録トラックが多少異なる『Unaffected Mixes plus』が「φonon」レーベルよりCDでリリース。今回発売されるのはそのLP版となります。

アルバム制作時の別ミックス / ヴァージョンが収められた本作では、アブストラクトでフリーキー、オリジナル盤とは異なるアスペクトで、作品の全貌を明らかにしています。本作を一聴してわかるのが、Vanityのオリジナル盤LPとは印象がかなり異なること。当時スタジオで録音された多くの断片から、メンバー / プロデューサーによって切り貼りや編集が施されカセットテープに残されていたこれらの音源には、ユニットの方向性がよりヴィヴィッドに示されていると言えます。70年代後期から80年代初頭に勃興した世界のインダストリアル・サウンドに共鳴し、日本のオルタナティヴ・ミュージック黎明期に存在したユニットの貴重な記録。そのヴァイナル化に注目です。

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