アルゼンチン、今年はデング熱流行が過去最大規模か 気温上昇影響

Juan Bustamante Lucila Sigal

[ブエノスアイレス 8日 ロイター] - 科学者らの見通しでは、アルゼンチンは今年が過去最悪のデング熱流行シーズンになる恐れが高まっている。気温の上昇に伴い、蚊のふ化が早まるとともに、気温の低い地域にも生息するようになっていることが理由だ。

最新の公式データによると、2023─24年のシーズンに同国ではこれまでにデング熱の発症が23万2996件報告されている。これは昨シーズンの過去最多だった13万件を既に大きく上回り、前年同期の5倍。流行は通常、3─4月頃の晩夏に急増するが、今シーズンはかなり早い時期から発生している。

デング熱は蚊が媒介し、高熱、頭痛、嘔吐、湿疹のほか激しい筋肉痛や関節痛を引き起こす。

アルゼンチン国立科学技術研究評議会(CONICET)の科学者らは、春の終わりの蚊が増加する時期がますます早まっていると指摘。同国南部のより涼しい地域でもデング熱の発生が以前より増えており、気候変動の影響による温暖化などで蚊の発生シーズンが長くなっている地域が拡大する傾向を反映しているという。

デング熱が毎年流行する可能性があるとの見方を示す科学者もいる。

同国では、今年の流行で医療がひっ迫し、虫よけも不足。政府は蚊取りスプレーの輸入を緩和する方向で動いている。

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