ミスをして感情が乱れ、またミスにつながる この悪いスパイラルを脱する3つの方法【心理学者に聞いた】

18ホールのラウンドでも、1ホール単位、ワンショット単位で考えれば、ミスを引きずることがなくなる。それでも感情がコントロールできない人は、目の前のボールを思ったところに運ぶという作業の遂行に集中しよう(イラスト/タカセマサヒロ)

打つ前にいろいろなことを考えるから感情が乱れる。今回は他のことに気を取られず、プレーに集中できる3つの方法を紹介しましょう。

ひとつ目は、1ラウンドを18個のゲームの集合体と考えて各ホールをマッチプレーのようにプレーする方法です。まず自分のハンデによって、各ホールのパーを決めます。ハンデ18なら、各ホールの+1が自分のパー。そして1ホールごとに自分のパーと勝負をします。パー4のホールで5打ならば「引き分け」、4打ならば「勝ち」、6打ならば「負け」というように。そうすれば、1つのホールで大叩きしても、最後まで気持ちを切らさずにプレーできます。

2つめは、1打ずつチャレンジのつもりでプレーをする方法です。平均スコアが100なら、目の前のボールを最高のポジションに運ぶチャンスが100回与えられていると考える。このように1ホールごとではなく、ワンショット単位でチャレンジすることによって、ミスを犯しても、すぐに切り替えられるようになります。

3つめはもっと細かく、目の前にあるボールを打つという作業を遂行することに徹する方法です。

ゴルフゲームの最小単位は“1打”ですが、ここでは「何打目か」ということは考えずに、さまざまな状況にあるボールを、自分が決めたスポットにできるだけ近づけることだけを考えます。

たとえティショットが曲がって深いラフにつかまっても、ボール地点に行ったらそこからどこを目標に、どうやって打つかという、これからやるべき作業のことだけを考える。平均スコアが100の人はその作業が100回ありますが、それを淡々と繰り返すだけ。そうすれば感情も乱れず、常に新鮮な気持ちでボールに向き合うことができるようになるのです。

解説:児玉光雄
こだま・みつお●追手門学院大学特別顧問。過去25年にわたりツアープロのメンタルカウンセラーを務める。現在、6名のツアープロのメンタル面をバックアップしている。日本スポーツ心理学会会員

※『アルバトロス・ビュー』876号より抜粋

◇ ◇ ◇

●暖かい日が増え、ゴルフ場も緑色に染まってきました。多少曲がってもいいから同組のライバルたちより1ヤードでも遠くに飛ばしたい。そんなアナタには関連記事【もう飛ばないなんて言わせない! レッスン大特集】がオススメ。ヘッドスピードの上げ方、効率のいい当て方が満載です。

© 株式会社ALBA