【韓国ドラマ】Netflix『涙の女王』の勢いが止まらない!ヒロイン役キム・ジウォンの演技の魅力とは?『サム、マイウェイ』ではパク・ソジュンと共演

Netflixシリーズ『涙の女王』独占配信中

キム・スヒョンとキム・ジウォンという主役カップルが物語の面白さを牽引しているドラマ『涙の女王』。Netflixで配信される週末が楽しみで仕方がない。

とりわけ、財閥クイーンズグループのデパート部門を仕切っていたホン・ヘインに扮したキム・ジウォンの七変化に魅了されている。強気一辺倒の表情の合間に見せる「愁いを含んで微かに甘い」抒情性に心がときめくのだ。(以下、ネタバレを含みます)

■Netflix『涙の女王』ヒロイン役キム・ジウォン、抒情的な演技の魅力

前提となるドラマの話をしよう。それは『サム、マイウェイ~恋の一発逆転!~』だ。パク・ソジュンが演じた主人公コ・ドンマンは、オリンピックの出場も可能なほどの有力なテコンドーの選手だったが、大事な試合で家族の負債問題によって実力が出せずに落ちこぼれてしまった。以後の彼は冴えない境遇に陥ってしまう。

そんなドンマンの幼なじみが、アナウンサーになるという夢を持っていたチェ・エラだ。キム・ジウォンが勝ち気な表情を随所に出して演じていた。

エラはなかなか夢を叶えられないので、ドンマンにやたらと八つ当たりしてしまう。容赦がないほど彼女がドンマンにきつく接する場面が『サム、マイウェイ』の見どころにもなっていたが、演じているキム・ジウォンは無敵なほど小気味が良かった。後の『私の解放日誌』の感情を抑えた演技と、ほぼ対極の表現方法と言えたかもしれない。

それほど強烈なキャラクターのエラが、財閥家のわがまま放題のお嬢様になってドラマに戻って来た、というのが『涙の女王』のヘインの第一印象だった。そのイメージは、たとえ「余命3カ月」と宣告されても不動であった。

けれど、あの場面を見てしまった。以後、キム・ジウォンに対する「女優としてのイメージ」をアップデートする必要性に迫られた。

そこには、強気一辺倒のかけらもなく、あるのは「憧憬に対する抒情性」であった。同時に、『涙の女王』というタイトルが持つ深淵な世界観を感じるようになった。

そこまでキム・ジウォンに対するイメージの転換を促した場面とは、ヘインがペク・ヒョヌ(キム・スヒョン)と知り合ったばかりのときに傘を借りた後のシーンだった。想定外の雨が降って困っていたヘインに、財閥家の令嬢と知らずに傘を貸してヒョヌは得意げに帰っていった。ヘインは迎えの車が来るのをただ待っていただけなのに……。

車に乗り込んで車窓から外を見ていたら、横を走るバスの後部座席にヒョヌの姿があった。ヘインに傘を貸して余韻に浸っているヒョヌと、その姿をバスの隣を走る車の窓からときめくように見ているヘイン……。何度も繰り返し見たいような珠玉の場面だった。

特に、ヘインからは表情の棘(とげ)がすっかり消えて、究極のラブロマンスに引き込まれていく純粋性を感じた。その瞬間を演じたキム・ジウォンの透明感もまさに七変化の象徴になっていた。

それは一瞬の追憶であり、ドラマのメインストーリーに戻れば、ヘインは病を抱えながらクイーンズグループの将来を案じているのだった。

そこで第10話が終わったが、ヘインの逆襲が今後の展開の鍵を握ることになるだろう。再びキム・ジウォンの演技に抒情性が戻る流れが、ドラマの最後には果たして来るだろうか。

●配信情報

Netflixシリーズ『涙の女王』独占配信中

[2024/全16話]演出:チャン・ヨンウ『不可殺』『抱きしめたい~ロマンスが必要3』、キム・ヒウォン『ヴィンチェンツォ』『シスターズ』 脚本:パク・ジウン『愛の不時着』『星から来たあなた』

出演: キム・スヒョン『星から来たあなた』『サイコだけど大丈夫』、キム・ジウォン『私の解放日誌』『太陽の末裔 Love Under The Sun』、パク・ソンフン『ザ・グローリー〜輝かしき復讐〜』『サイコパスダイアリー』、クァク・ドンヨン『雲が描いた月明り』『ヴィンチェンツォ』

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