ヘイキ・コバライネンが開胸手術の成功を報告。現在はラリー復帰を念頭に自宅で療養中

 元グランプリウイナー、ヘイキ・コバライネンの開胸手術が成功した。胸部上行大動脈瘤の手術を受けた元F1ドライバーは退院後に自宅へ戻り、完全な健康状態を取り戻すための長い旅を始めている。

 F1での活躍後、GT500クラスでシリーズチャンピオンを獲得したスーパーGTでのトヨタとの契約を終えて以来、この“フライング・フィン”はラリーに情熱を注いでおり、自身のキャリアを全日本ラリー選手権に移して大きな成功を収めてきた。

 42歳の彼のキャリアは、所属するRally Team AICELLOからアナウンスされていたWRC世界ラリー選手権の日本ラウンド『ラリージャパン』への3年連続出場を含め今のところ保留となっており、トップカテゴリーでのシリーズ3連覇を目指すはずだった今季2024年の全日本ラリー復帰の予定は立っていない。

 ファンに向けてSNSに投稿されたビデオメッセージの中で、コバライネンは自身が患った病と決断について語った。「昨年末、僕は上行大動脈瘤と診断された。基本的に、上行大動脈(心臓から送られる血液が最初に通る、人体でもっとも太い血管)の一部がかなり大きく拡張したということだ。冬の間でさえラリーや他の活動に参加できなかったのは、もちろんそれが理由だ」

「そしてこの数カ月の間、僕は医師のチームと選択肢を検討してきた。 僕たちは手術をすることを決めた」

「そして先週、タンペレ大学病院の心臓病棟で手術を受けた。そこで僕の世話をしてくれたのは、医師、看護師、助手の素晴らしいチームだった。開胸手術だったのでこのシャツの下の胸にはずっと跡が残る。でも手術は無事に終わった。成功したんだ」

 トップレーシングドライバーの性だろうか、彼は持ち前のフィードバックの正確さをもって次のように説明を続けた。

「計画されていたことをまさにやり遂げることができた。上行大動脈の病変部分を切り取り、人工移植片をつけた。すべてがうまくいった」

「それは当然ながら大きな手術だった。手術後数日は少しつらかったが、それ以降、状況はだいぶ良くなっている。そして今は家に戻り、すでに回復しているところだ。見通しはかなり明るいよ」

 手術前には今シーズン中に競技に復帰したいと語っていたコバライネン。実際には経過を見ての判断となるだろうが、彼はここまでの状況をポジティブに捉えている。

「完全に回復し、完全な健康を取り戻すチャンスがある。でももちろん、すべてのことがどのようになるかは、最終的に時間が経たないと分からないだろう。しかし、これまでのところ見通しはかなり良い。そのことを非常にうれしく思っている」

「その間にも僕は回復を続けており、うまくいけば外に出て少しずつ活動を増やそうとしている」

「大切なことは、もちろん胸骨が治癒するまでの時間を取ることだ。そして、すべてが終わって物事がうまくいけば、普段のルーティンに戻れるだろうと期待している」

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