「バズる」大使が初のエッセー集出版 フォロワー30万人超、ジョージアのレジャバ駐日大使

始球式で着たユニフォームを手にカープ愛を語るレジャバさん(広島市南区)

 X(旧ツイッター)で「バズる大使」として知られるジョージアのティムラズ・レジャバ駐日大使(35)が初のエッセー集「ジョージア大使のつぶや記」を出版した。幼少期を過ごした広島県東広島市の思い出やXでの母国の魅力発信…。「第二の古里」と語る日本での歩みを振り返る。

 父が広島大に留学したため4~8歳を同市で過ごした。著書では、市内の産婦人科医だった角谷哲司さん(92)との記憶をたどる。国交がない中、留学の実現に尽力し、ランドセルをプレゼントするなど物心ともに支えてくれた。「日本との関係が深まったのは角谷先生の優しさやぬくもりのおかげ」と感謝を記す。

 角谷さんは原爆投下の日、広島市中心部への学徒動員が急きょ休みになり命をつないだ。大使自身も2008年、母国に一時帰国した際にロシアとの戦争を体験。角谷さんと自らを重ねつつ、偶然が重なって今の自分がいるとし「平和に向け、しっかり行動しなければ」と語る。ロシアのウクライナ侵攻の際は、各国大使に抗議活動を呼びかけた。

 Xでは、顔が似ているというお笑いタレント小島よしおさんとのツーショットやカープ戦での始球式など親しみいやすい投稿を交え、フォロワーは30万人を超える。注目を集めることで、郷土料理シュクメルリや民族衣装チョハなど、母国の文化や歴史に理解を深めてもらう狙いだ。「エッセーを読み、よりジョージアに親しみを感じてほしい」と願う。教育評論社刊。A5判、176ページ。1760円。

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