チャージャーズOCローマンの「スキームが大好きだ」と再会を喜ぶRBエドワーズ

ガス・エドワーズ【AP Photo/Phelan M. Ebenhack】

2024年のロサンゼルス・チャージャーズでは、フィジカルなフットボールが期待されている。

それはチャージャーズにとっては一つの変化だが、先日にチャージャーズと契約を結んだランニングバック(RB)ガス・エドワーズにとっては大きな変化にはならない。なぜなら、エドワーズにとってはボルティモア・レイブンズに在籍していた6年間に経験したのと似たような外観と雰囲気を、今のチャージャーズが持っているからだ。

チャージャーズの公式記録によると、エドワーズは現地8日(月)に次のように述べた。

「素晴らしいチャンスだと思ったんだ。彼らが組織したコーチ陣は素晴らしい。(グレッグ)ローマン(攻撃コーディネーター/OC)と彼のスキームはよく知っているし、彼の考え方もすでに知っているから、その一員になりたかった。(ヘッドコーチ/HC)ジム・ハーボに関しても同じで、彼の考え方はすでに知っている——フィジカルなチームになることだ。その一員になりたかったんだ」

何よりも、3月にチャージャーズと2年契約を結んだエドワーズは、ローマンOCのオフェンス戦略と、身長約185cm、体重約108kgの自分自身のフィジカルなランスタイルがうまく合う点に魅せられたのだ。

エドワーズはこう話している。

「彼(ローマンOC)はランを起点にプレーを展開したいと考えている。ボルティモアで彼のオフェンスシステムはとてもうまく機能した。俺はこのスキームが大好きだ。彼のスキームの立て方、フィジカルさを中心とした考え方全体が本当に好きなんだ」

NFLで5シーズン(2021年はACL[前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい]断裂で全休)を過ごしたエドワーズはランで3,395ヤード、タッチダウン26回をマーク。昨シーズンにはキャリア最高の810ランヤード、タッチダウン13回を記録していた。これはトッド・モンケンを攻撃コーディネーターに迎えての成績だったが、エドワーズはローマンOCとも相性が良く、2019年から2022年にかけて、キャリー364回で1,897ヤード(キャリー1回あたり5.1ヤード)を稼ぎ、タッチダウン11回という数字を残している。これは、前述のACL負傷の復帰で2022年シーズンに多くの試合を欠場していたのにもかかわらずのことだ。

エドワーズは明らかにローマンOCのスキームに合っている。28歳のエドワーズはそのことを十分に理解しており、再び一緒に仕事をすることを選んだ。

エドワーズは「彼(ローマンOC)はランニングバックが直線的に突っ込んでいくのを見たがっているし、それは俺の得意とする分野だ」とコメント。

レイブンズとチャージャーズのもう1つの明白な共通点は、どちらも“ハーボー“がヘッドコーチを務めていることだ。

ラトガース大学出身でドラフト外フリーエージェントとしてレイブンズと契約したエドワーズは、これまでジョン・ハーボーHCのもとでのみプレーしてきた。これからエドワーズはチャージャーズとジム・ハーボーHCの下でプレーする新しい一歩を踏み出すことになるが、その新しさの中にも何かしら慣れ親しんだ感触を覚えるだろう。

エドワーズはチャージャーズHCジム・ハーボーについて次のように話した。

「彼の兄(レイブンズHCジョン・ハーボー)と似ているところがたくさんあると思う。俺がそんなことを言うのを彼が好ましく思うかどうかは分からないが(笑)、本当に類似点がたくさんある。彼は選手との距離感が近いコーチだ。彼の周りにいるととても落ち着く。なかには、廊下を歩いているのを見かけたら、つい別の道を歩いてしまいたくなるようなコーチもいる(笑)。でも、彼のそばは本当に居心地がいい。彼のメンタリティーを知っているからね。彼は勝ちたいと思っている。彼は何事にも積極的だ。ミーティングルームにも一緒にいた。彼はチームから離れずにいる。ウェイトルームにも一緒にいる。彼の姿を見るだけでうれしいんだ」

東海岸から西海岸に移っても、類似点はたくさんある。

エドワーズはさらにこうつけ加えた。

「色以外は、ほぼ同じだと思う(笑)。彼らがどれだけ一生懸命に働いているのかに、本当に驚かされた。クオーターバック(ジャスティン・ハーバート)だって、みんなを引っ張ってトレーニングしている。チームの決意がいかに強いか、そして彼らがどれだけ多くの努力をしているかに、ただただ驚かされたんだ。予想していなかったわけではないけれど、間違いなく予想以上ではあったよ」

ハッキリとした違いがあるとしたら、それはクオーターバック(QB)だろう。

レイブンズのQBラマー・ジャクソンは統計に基づいたランキングであれ、最近MVPに輝いたばかりの驚異的なハイライトであれ、史上最高のランニングQBの1人とされている。チャージャーズのQBハーバートも機動力はあるが、ジャクソンが2度達成したように、ランで1,000ヤードを獲得することはまずないだろう。

エドワーズはレイブンズに在籍時に一度も、クオーターバックが1シーズンに獲得したランヤードを上回ることはなかったが、その状況が変わることになりそうだ。

チャージャーズのランニングバック陣の現状では、エドワーズが明確に先発ランニングバックであり、主要な選手であることは明らかだ。チャージャーズには他にも、アイザイア・スピラー、イライジャ・ドットソン、ジャレット・パターソンがいる。キャリア最高の活躍を見せてシーズンを終えたエドワーズは、初めて地上戦でトップランナーとなる最初の機会が与えられており、これからが本番なのかもしれない。エドワーズはそのチャンスと役割を得て喜んでいる。

エドワーズは主力ランニングバックとしての役割について「俺はその役割に向いているし、そのチャンスを手にする準備はできている」と述べた。

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