雄は年取ると長く戦う? 昆虫の雌巡り、岡山大

クワガタに似た微小な甲虫、オオツノコクヌストモドキ(松村研究助教提供)

 雌を巡る雄同士の争いについて、クワガタに似た微小な甲虫「オオツノコクヌストモドキ」では、“おじいさん”に近い年を取った個体ほど戦う時間が長くなることが分かったとの研究結果を、岡山大の宮竹貴久教授(昆虫生態学)らのチームが9日までにまとめた。

 若い雄はまだ繁殖の機会があることを見越し、次の戦いにエネルギーを残す一方、年老いた雄は残された時間が限られており、戦いに固執するとみられる。宮竹教授は「加齢と聞くと活力の低下が浮かぶが、結果は画期的で興味深い。雌を争って戦う生物は多い。他の種も同じような傾向があるかもしれない」と話した。

 オオツノコクヌストモドキは体長5ミリほどで、攻撃的な性質を持つ。チームは羽化してから約10日の若い雄と、約50日の年を取った雄を、計430匹用意。同じ日齢同士を一対一で戦わせ、かかった時間を調べた。

 その結果、若い雄同士では平均10秒間戦っていたのに対し、年を取った雄では30秒間と、若い時と比べて20秒ほど戦う時間が長くなった。

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