70年代の街並み活写 デジタルアーカイブ業・Nansei創業者の砂川哲男さん撮影 沖縄タイムス紙面で連載中

[ぶらり おきなわ’70]

 1970年代の沖縄を写したスナップ写真を連載する企画「ぶらり おきなわ’70」が、4月6日付の沖縄タイムスでスタートした。デジタルアーカイブ業のNansei創業者の砂川哲男さん(71)が撮影した約800枚から厳選し、土・日曜日のオピニオン面で掲載する。砂川さんは「読者の手元にある眠った写真を見返すきっかけになれば」と期待を込める。

 宮古高校を卒業後は東京の写真学校に通うなど、仕事を含め写真に関わり続ける砂川さん。Nanseiの代表、相談役を退いた後、自身が撮りためたフィルムを整理したところ、ネガ300~500本は保存状態が悪く処分することに。スキャンをして活用するため4~5年前に会社に移動させた20本ほどのネガだけは難を逃れた。

 Nanseiが2022年から沖縄タイムス社のグループ会社となり、ネガは本紙に寄贈された。ただ、写真の撮影日時は「1970年代」であること以外ははっきりしないという。

 それでも場所はおおむね特定し、宮古や伊平屋、伊江などの離島も含めた沖縄の街並みや風景、芸能の舞台写真など、当時を切り取った一コマが写し出されている。

 本紙が始める企画を通して砂川さんは「読者から古い写真や情報が寄せられる呼び水になるとおもしろいのでは」とイメージを膨らませる。「写真は最高の記録の媒体。風景や人の顔も変わっていく。そういったものの記録を大事にしていきたい」と話した。

 砂川さんの写真は、未公開分も含めてNanseiの特設サイトで掲載される。同社が所有する沖縄関係写真も公開していく。(社会部・勝浦大輔)

1970年代に撮影した写真を手に、「各家庭で眠ったままの古い写真を掘り起こしてほしい」と話す砂川哲男さん=2日、那覇市・沖縄タイムス社

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