栃木県警察本部がオリオン通りを「風俗環境浄化重点地区」に指定 宇都宮中央署などが巡回

とちぎテレビ

宇都宮市中心部のオリオン通りで治安の悪化が問題視される中、栃木県警察本部は、オリオン通り周辺地域を歓楽街の環境浄化に向けて定める「風俗環境浄化重点地区」に指定しました。

「風俗環境浄化重点地区」は、県警察本部が歓楽街での環境浄化に向けた対策が必要なエリアとしておよそ20年前に定めたもので、県内で最重点地区1カ所(JR宇都宮駅東口地区)と重点地区2カ所(宇都宮市本町・泉町とJR小山駅周辺地区)が指定されています。

今回、重点地区「宇都宮市本町・泉町地区」に隣接するオリオン通り周辺も新たに加えました。

重点地区の範囲を広げたのは市内では初めてで、県警察本部は、客引きや飲食店の無届け営業などの違法行為、それに客や通行人のトラブルなどを理由に挙げています。

県警によりますと、オリオン通りでは飲食店の出店が相次いでいて、コロナ禍の2022年の末ごろからこういった違法行為やトラブルが増えているといいます。

重点地区に指定したことで一層立ち入りなどを強化し、環境浄化に向け対策をしていく方針だということです。

6日は新年度を迎えて初めての週末で、午前0時から4時まで警察官14人が巡回しました。

宇都宮中央警察署の大野優太生活安全課長は「アルコールの入ったお客さんも多くいらっしゃるので、ケンカやトラブルの通報が増えている。県民が安心して利用できる環境の醸成に努めて参りたい」と話しました。

70年以上オリオン通りを見てきた、オリオン通り曲師町商業協同組合の長谷川正さんは、今回の重点地区への指定について「ありがたい。治安維持が保たれたらと思う」と話しました。

ほかにも治安改善を巡っては2023年の11月に、地元商店街や市・県警察などでつくる「オリオン通り治安維持対策会議」が発足しています。

このような治安対策の必要性を痛感しながらも、オリオン通りが衰退してしまうのではないかと危機感を持つのは、飲食店などを営む村上龍也社長です。

村上社長は「LRTができて、再開発もされ、まちが変わっていこうとしている中で、治安・治安と言ってしまうとあっという間に人がまた引いてしまうのではないか」と危機感を示しました。

村上龍也社長は加えて「商店街が飲食店街になり、飲食店街が風俗街になり、人がいなくなって寂れていくのが、地方都市がダメになる典型的なパターン。飲食店が増えている今が正念場だと思う」とオリオン通りの今後に警鐘を鳴らしました。

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