なでしこジャパン、アメリカに惜敗も五輪へ向けて収穫あり OG「すごくいい強化になったのでは」

川上直子氏

サッカー日本女子代表「なでしこジャパン」は、6日(日本時間7日)、アメリカで行われている「2024 SheBelieves Cup(シービリーブスカップ)」でアメリカ女子代表と対戦し、1-2と惜敗しました。この試合について、元なでしこジャパンDF川上直子氏が、自身がパーソナリティーを務めるラジオ番組で振り返りました。

【写真】WEリーグで実現した注目のマッチアップ、浦和Lの清家貴子選手とINAC神戸の北川ひかる選手

ジョージア州アトランタのメルセデス・ベンツスタジアムに5万644人の大観衆を集めたなかで行われたなでしことアメリカの一戦は、なでしこが開始早々の30秒、FW清家貴子選手(三菱重工浦和レッズレディース)のゴールで幸先よく先制。しかし、そこからアメリカの攻勢に押される時間が続くと、前半21分、自陣で奪われたあとのショートカウンターから強烈なミドルシュートを決められ、同点に追い付かれます。なでしこはハーフタイムで3選手を入れ替えるなど修正を試みますが、地元の大声援を受けるアメリカの勢いは止まらず。後半途中にPKで勝ち越されると、反撃及ばず敗れました。

この一戦について、「日本が先制しても、アメリカは落ち着いていた。迫力があった。よく2失点で終わったなという感想も私のなかにはある」と述べた川上氏。それでも、「5万人を超える観客のなか、すごく強度の高い試合ができて、すごくいい強化になったのでは」と、世界の強豪との対戦の意義を語ります。

清家選手の先制点については、「ファーポストに当たって入ったが、相手GKのリーチが長いので、あの角度(のシュート)じゃないとGKに触られているか外れているかという究極のコースだった。清家選手はインタビューでも『自分の得意の角度だった』と話していたが、いま絶好調なんだなと感じた」と、WEリーグ得点ランキングで首位を独走中(14試合で12得点)のアタッカーを称えていました。

また、今回は先発メンバーに、18歳のMF谷川萌々子選手(FCローゼンゴード/スウェーデン)や、パリ五輪アジア最終予選には選ばれていなかったDF守屋都弥選手(INAC神戸レオネッサ)が抜擢されていました。そのなかで右サイドが本職の守屋選手は、左サイドバックでの起用となり、前半のみの出場でしたが、前半15分の相手の決定機をゴールライン上で防いでクリアするなど、主に守備で奮闘する姿が目立ちました。

川上氏は、「いつも右サイドをやっているので、左だと感覚が違うと思う。そのなかでもすごく集中してやっていたし、18人の五輪メンバーに残りたいという気持ちがすごく伝わってきた」と、守屋選手を評価していました。

なでしこは9日(日本時間10日)にオハイオ州コロンバスで、ブラジル女子代表との3位決定戦に臨みます。相手はパリ五輪の本大会で同じグループCに属する間柄ということもあり、その前哨戦として「お互いどういう戦いをするのか」(川上氏)というところも注目されます。

そして、今大会2試合は、五輪に向けた重要な強化とメンバー選考の場ということもあり、川上氏は「池田(太)監督はいろんな組み合わせを試したりしているのかなと(思う)」とおもんぱかる様子も。そのなかで、けがから復帰し、アメリカ戦で終盤に途中出場したFW宮澤ひなた選手(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド)について、「少しの時間だったが、おかえりなさいということで、合流できたのはよかった」と、前回W杯の得点王の帰還を喜んでいました。

※ラジオ関西『カンピオーネ!レオネッサ!!』2024年4月8日放送回より

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