中国から日本に続々移転するドイツ企業、その理由は―独メディア

ドイツメディアのドイチェ・ヴェレ中国語版は6日、「なぜ多くのドイツ企業が中国から日本に移転しているのか」との記事を掲載した。

ドイツメディアのドイチェ・ヴェレ中国語版は6日、「なぜ多くのドイツ企業が中国から日本に移転しているのか」との記事を掲載した。

記事は、在日ドイツ商工会議所とKPMGが在日ドイツ企業164社を対象に行った調査で、多くが生産ラインや管理機能を中国から日本に移転していることが分かったと報道。調査では、生産ラインを中国から日本に移したとの回答が38%、管理機能を中国から日本に移したとの回答が23%に上ったという。

記事はその背景として、「地政学的、貿易的、金融的な不確実性を回避したい外国企業にとって、日本は魅力的な目的地になっている」と指摘。エコノミストからは「長きにわたりドイツ企業にとって中国は大きな焦点だったがそれが変わりつつある。企業はより多くの政治的・地政学的な事柄を考慮する必要がある」「日本は経済的、政治的に安定しており、他のアジアの国と良好なつながりを持っている」との見方が出ていると紹介した。

また、ある大手企業の責任者が「中国にも日本にも投資する理由はある」としつつ、「日本市場は多くの障害があり、参入が難しいかもしれないが、いったん足場を固め、顧客の信頼を勝ち取れば、長期的なパートナーシップを築くことができる」と語ったことにも言及。同商工会議所のマークゥス・シュールマン専務理事の言葉として、「日本に拠点を置く主な動機は、経済、ビジネス、安全保障、社会などにおける安定。そして、よく訓練された労働力と先進的なインフラ、民主主義に基づく安定した政治環境や知的財産権の法的保護も重要な理由である」と伝えた。(翻訳・編集/北田)

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