“ドラッグ”じゃない 人気ドラァグクイーンが話す基礎知識 奇抜メイクの極意 実は有名手品師の娘も

サマンサ・アナンサが「ドラァグクイーン」の世界を紹介

関西を中心に活躍の場を広げるタレントでドラァグクイーンのサマンサ・アナンサ(以下、サマンサ)が、兵庫・神戸を拠点とする人気インスタグラマー・ウラリエとともに担当するラジオの新番組内で、「ドラァグクイーン」について語った。毎週ドラァグクイーンの世界を“チラ見せ”するとして、5日放送の初回では「ドラァグ」の意味やドラァグクイーン界の現状、メイクなどに関してトークを繰り広げた。

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サマンサは、「ドラァグ(drag)」は「引きずる」という意味で、薬などを指す「ドラッグ(drug)」とは全くの別物だと説明。「ドラァグ&ドロップ」(パソコン上でファイルなどをクリックしてカーソルに留める形で別の場所へ移動する操作。「ドラッグ&ドロップ」と表記されることが多い)のドラァグと同じだと話した。

サマンサによると、ドラァグクイーンという言葉は、派手なメイクをして奇抜な衣装の裾を“引きずる”ところからきているのだとか(諸説あり)。同番組のもう一人のパーソナリティで、神戸を中心に活躍するインスタグラマーのウラリエは、サマンサから教えられて「ドラッグ」ではないことを知ったといい、サマンサは「私は人生も引きずってる」と笑わせた。

元々は、ゲイの人たちのアンダーグランドな文化として生まれたドラァグクイーン。今では、性的思考やジェンダーに関しても「オールマイティに受け入れる」(サマンサ)ようになったという。

実際ドラァグクイーンには、女性や、男女問わず家庭のある人、子育てをしている人もいて、様々な人がドラァグクイーンの世界を楽しんでいるのだそう。ヒップホップアーティストでMr.マリックの娘であるLUNA(ルナ)も「チョモランマLUNA子」の名でドラァグクイーンとしても活躍中で、一緒にユニットを組んでいるとサマンサは紹介した。

そんなドラァグクイーンに欠かせないのが、独特のメイク。ウラリエからはメイクに関しての質問も投げかけられた。

サマンサは、先輩から「自分でメイクできなければ意味がない」と教わり、今も自分自身でメイクしているとのこと。現在はウェブ上のメイク動画を参考にして初心者でも完成形に仕上げられるが、サマンサが活動を始めた頃はメモ帳を片手に「特訓を受けた」のだそう。

また、かつては舞台上でライトを浴び、離れたところから見られることを意識したものだったのが、最近はテレビやイベントなどの仕事も増えたため、それぞれの見え方に応じて微妙に変えているらしい。ちなみにこの日サマンサはラジオスタジオ用の“正装”で、メイクには2時間かけたとのことだった。

化粧への深いこだわりを聞き、サマンサに「メイクを教えてほしい」と懇願したのは、元ギャルを公言するウラリエ。ドラァグクイーンメイクに挑戦したいと詰め寄るも「やめとき」とサマンサの制止を受けたところへ、リスナーから「ウラリエさんは既にドラァグクイーン」と番組Xにコメントが寄せられ、サマンサが大笑いする一幕もあった。

じつは、ラジオ好きも多いというドラァグクイーン界。激励もあれば、先輩のミッツ・マングローブから「先日のあの表現、この方がいいんじゃないですか」と指摘された経験もあるのだそう。言葉や表現を選んで話すサマンサの繊細さ、知性も垣間見られた放送だった。

※ラジオ関西『Clip金曜日』内「サマンサのド・ラ・チ・ラ」2024年4月5日放送回より

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