「悔しさ、悲しみでいっぱい」 離乳食事故、両親が文書

保育園での給食中の事故で、意識不明の重体となった男児の両親が公開した手記

 愛媛県新居浜市の新居浜上部のぞみ保育園で昨年5月、生のリンゴを食べた当時生後8カ月の男児が意識不明の重体となった事故で、両親が9日までに「起こるべくして起きた事故。悔しさと悲しみでいっぱいです」と心境をつづった文書を報道各社に公開した。保育園には「隠すことなく説明責任をきちんと果たしてほしい」と求めた。

 事故は昨年5月16日午前に発生。縦7ミリ、横2ミリ、厚さ3ミリの生のリンゴ2かけらを保育士が口に入れた直後、呼吸をしなくなった。男児は現在も意識不明の重体で、両親が自宅で24時間看護。「できることは全てしてあげたい」としている。

 事故を受けた市の検証委員会は3月、国のガイドラインに沿った離乳食の提供方法がされていなかったとの報告書をまとめた。これに対し「きちんと検証され防止策がまとめられたことはとても意味のある大きなこと」と評価。一方で初めて知ったこともあったとして「あまりにもずさん過ぎる管理態勢には悪質と言わざるを得ず、人の命を預かるという認識に欠けすぎている」と厳しく批判した。

© 一般社団法人共同通信社