苦手の赤土を克服しつつあるメドベージェフがクレーシーズンへ向け意欲を語る「全仏で良い成績を収められるように努めたい」<SMASH>

ATPツアーで20度の優勝を誇り、2021年の全米オープンでは四大大会初優勝を成し遂げた世界ランク4位のダニール・メドベージェフ(ロシア/28歳)。今年も自身が大の苦手とするクレーシーズンがやってきたが、「年々赤土のコートでも自分への期待は高まっている」とポジティブな言葉を口にする。

それもそのはず、メドベージェフは昨年5月の「イタリア国際」(イタリア・ローマ/ATP1000)にて、クレーで自身初となるタイトルを獲得。また21年の「全仏オープン」(フランス・パリ/四大大会)ではベスト8に進出しており、毛嫌いしていた赤土のサーフェスを克服しつつあるのは確かだ。

現在開催中の男子テニスツアー「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」(4月7日~14日/モナコ・モンテカルロ/クレーコート/ATP1000)に出場するメドベージェフは、大会前に応じた欧米メディア『Eurosport』のインタビューで、改めてクレーへの苦手意識について率直に語りつつ、次第に手応えをつかみ始めていると明かした。

「僕は3年前の全仏で実際に本当に良いテニスをしてベスト8に入った。去年はローマで優勝した。ただ、僕は今でもクレーはあまり好きではない。それは単に自分のゲームがクレーには合っていないからだ。バウンドが悪かったり、キックサーブがうまい選手だったり、様々な状況に適応するのは僕にとってはるかに難しい。だから細かい部分に気を配らなければならないが、そこは昨年と数年前のローランギャロス(全仏)でなんとかうまくやれた」
その上でメドベージェフは、昨年初戦敗退に終わった全仏(5月26日~6月9日)についても期待感は高いと自信を示す。今年1月の「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/ハードコート)での準優勝を含め、最高峰のグランドスラム(四大大会)で安定した成績を残せていることを踏まえてこう続けた。

「時には自信を失って自分を見失うこともあるが、実際にはそれがより高みに導いてくれる場合もある。だから全仏もとても楽しみにしているよ。最近はグランドスラムで少し優位性を見出すことができて、昨年のウインブルドンから良いプレーができているように感じる。その流れを生かして、今年は全仏で良い成績を収められるように努めたい」

なお今週のモンテカルロに第4シードで参戦するメドベージェフは、初戦となる2回戦でガエル・モンフィス(フランス/現40位)とジョーダン・トンプソン(オーストラリア/同32位)による1回戦の勝者と対戦する。今年のクレーシーズンでメドベージェフがどんなプレーを見せてくれるのか非常に楽しみだ。

文●中村光佑

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