埼玉ライドシェア、5月に解禁へ さいたま、川口、鴻巣など“県南中央交通圏”で始まる予定 ライドシェアから正社員登用の可能性も 今後どんな展開、戸田など“交通圏”の9市町はどこ

日本版ライドシェア、開始 県内は9市町、5月以降

 一般ドライバーが自家用車を使い有料で乗客を運ぶ「日本版ライドシェア」のサービスが8日、始まった。

 埼玉県内では5月以降、さいたま市、川口市、蕨市、戸田市、上尾市、伊奈町、桶川市、鴻巣市、北本市の9市町が入る「県南中央交通圏」でライドシェアが始まる。国土交通省関東運輸局の担当者は「圏内全域で実施されることだけが決まっている状態。今後、国交省が配車アプリのマッチング率などから不足車両数や実施の時間帯を示し、タクシー事業者に意向調査をした上で台数を割り当て、許可申請をしてもらうことになる」と説明した。

 県内のタクシー事業者が加盟する県乗用自動車協会(さいたま市浦和区)の担当者は「車両数などの詳細が公表されたら国の担当者を呼んで事業者向け説明会の開催を考えている」と話す。参入意欲を示している事業者は現時点で数社にとどまっているとし、「(違法な)『白タク』が解禁されるかのように間違った解釈をしている事業者もいる。協会として抜かりがないように周知徹底したい」とした。

 タクシー運転手らでつくる埼玉交通運輸労働組合(同市大宮区)の担当者は「同じ料金ならすみ分けができるので、悲観していない。ライドシェアから正社員登用という可能性もあり、会社も前向きだ」と話した。対象地域では、ライドシェアに向けパート運転手の募集を始めた事業者もいるという。一方で「全面解禁され価格競争が起きたら顧客が流れる」と懸念も示した。

 県交通政策課は今後、国が指定する実施時間帯などの情報収集に努め、事業者に協力するとした。

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