「マスターズ」前に15戦13勝!なぜ今年は『Pro V1/V1x』ばっかり勝ちまくるの?

米国アクシネット社も、PGAツアー勝率をアピール

今週は、ゴルフの祭典「マスターズ」ウィーク。今季ここまでPGAツアーは15試合行われたが、例年とは違うギア動向がある。それが「今年は、タイトリストのボールが、勝ち過ぎ問題」だ。

昨年の1月からマスターズまででは、ジョン・ラームが3勝し、キム・シウー、サム・バーンズらキャロウェイ勢が計5勝していたボール勝数。昨年の同時期にタイトリストは15戦9勝だったが、今年はなんと15戦13勝。勝率も60%➡86.7%に跳ね上がっている。
 
背景にはラームのLIV移籍もあるはずだが、タイトリストの事情として『Pro V1xレフトダッシュ』や『Pro V1レフトドット』の他に、ツアー専用プロトタイプが増えたということか。「何か秘密はあるのか?」と米国アクシネット社に聞くと、タイトリスト ゴルフボールマーケティング副社長のジェレミー・ストーン氏はこう回答。
 
「今季のPGAツアーでの素晴らしい勝率の秘密とは、安定した性能と、世界中のプレーヤーたちの絶大なる信頼ですね。毎週、70%以上のプレーヤーが『Pro V1』や『Pro V1x』を信頼して使用しています。この信頼は『Pro V1』ファミリーのブレることのない性能と品質の賜物であり、プレーヤーはタイトリスト ゴルフボールがスイングにしっかりとベストで応えてくれると分かっているが故に、試合だけに集中することができるのです」(ストーン氏)
 
つまり、発売2年目を迎えた現行の『Pro V1/Pro V1x』に選手たち個々がアジャストしきっており、その信頼性のある状態で、常時70%以上のPGAツアー使用率があるため「これくらいの勝率が出るのも当然」と、言いたいよう。
 
不思議なのは、出場選手の多い大会ほど使用率も上がること。他のメーカーなら逆になるが、タイトリストだけ裾野が違う。ここまで出場選手が100人未満では使用率60%台の大会もあったが、144人を超えると75%を越すことも。また、下部のコーンフェリーツアーでは8割に迫る使用率も珍しくないほどだ。
 
ちなみに、今年13勝の内訳は『Pro V1』が7勝、『Pro V1x』が4勝、『Pro V1xレフトダッシュ』と『Pro V1レフトドット』が1勝ずつで「ツアー専用プロトタイプはない」とのこと。また、13勝のうち4勝が契約外選手によるもので、スコッティ・シェフラーは昨年と違って契約が外れたにもかかわらず、今年も『Pro V1』で2勝している。

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