レースクイーンに「同じ女性として心がザワザワ」 業界“期待の新人”が一目ぼれした先輩の姿

「ARTA GALS」一之瀬優香が今季の意気込みを語った【写真:「ARTA GALS」提供】

「すごさに圧倒されました」 ARTA GALS新加入・一之瀬優香

今年もモータースポーツのシーズン到来で、華やかな舞台が幕を開ける。日本最大級のカーレース「SUPER GT」(4月13~14日、岡山国際サーキットで第1戦)で今季、GT500クラスに参戦する名門レースチーム「ARTA」を力強く支えるのが、サーキット・アテンダント「ARTA GALS」だ。新加入の一之瀬優香は、レースクイーンの祭典で“新人賞”に輝いた未来のホープ。今季にかける意気込みや将来像を聞いた。(取材・文=吉原知也)

レースクイーンの活動歴は2年目。最新の「日本レースクイーン大賞2023」で、新人部門の入賞を果たした“期待の新人”だ。初めてレースクイーンを見たのは昨年初頭のこと。「同じ所属事務所のレースクイーン撮影会を見学に連れて行ってもらった時でした。目の前でレースクイーンの方々を間近に見て、そのきれいさはもちろんですが、背筋がビシッと伸びた立ち姿とすてきな笑顔に、同じ女性として心がザワザワしたと同時に、ほれてしまいました」。まさにひと目ぼれだった。

実際に目の当たりにして、「私もああいうカッコいい大人の女性になってみたいなぁ」と、思いが深まった。ファンサービスの気配りにも感銘。「撮影会に来ているたくさんのファンの方にあちこち目を配っていて、ポージングを変えたり、目線を向けたり、コミュニケーションをとっていたり、いくつものことを同時にこなしているすごさに圧倒されました」。

さらに、「特に印象的だったのは、コスチュームにプリントされているチーム名やロゴを指差してポージングをしている姿を見た時です。誇らしい雰囲気や強さを感じました。私もああいう自信に満ちた大人になれるように成長してみたい! と思い、挑戦させていただきました」。縁あってレースクイーンの活動を始めることになった。

必死に駆け抜けたデビュー年の1年。実際に業界に入ってみて、「先輩レースクイーンの方のすごさを身近で感じたり、チームがものすごい熱量で、1つの目的に向かってたくさんの方が動いて挑んでいる姿を見て、学ばせていただけることが多くあります、また、チーム同士が互いに切磋琢磨(せっさたくま)して、高みを競っている緊張感の中で、所属チームのマシンが勝ったときの喜びをみんなで分かち合える瞬間のうれしさの、なんとも言えない気持ちの高まりや、逆に悔しい時の次は絶対に巻き返してやる! という空気感を肌でひしひしと感じることができます」と実感を語る。

勝負の厳しさはスポーツのさだめ。泣き笑いの感動の中で、プロとして鍛えられているといい、成長の日々だ。

レースクイーン大賞で未来につながる成果を出したが、あくまで謙虚。「決して1人だけでは乗り越えることはできなかったと思います。ファンの方、先輩レースクイーンの方、チームやスポンサー様など多くの方が、一緒にいてくださることを実感していましたし、悩んだ時には、その顔や声、配信でのコメントやSNSでの励ましコメントなどが浮かんできて、1人だけじゃない! と思わせてくれました。また、同期で共に切磋琢磨して、競い合った方々がリスペクトしあいつつ、成せたことだと思っています。新人部門のコンテストは、私には、モータースポーツは団体戦であること。サーキット以外でも多くの方がいてくださるからこそレースが成り立つこと。ルールがあるからこそ競えること。それらを強く意識させてもらえた場でした。賞をいただいたあの栄誉トロフィーの重みは、これからも私に問われ続ける課題でもあると思っています」と、真剣なまなざしを送る。

新人レースクイーンが抜群過ぎて「ほれてしまいました」【写真:「ARTA GALS」提供】

「今この場所、この瞬間を大事にしなきゃ」

身長163センチで、端麗なプロポーション。体型維持については「先輩方を見て、私自身はまだまだ努力不足であることを痛感しています。なので、先輩方が日々取り組まれている内容をお聞きしたり、SNSの投稿内容などがとても参考になっています。特にアピールできるようなことはないのですが。。。もともとお風呂にゆっくり漬かったり、半身浴を楽しむことが好きなので、疲労をためないようには気をつけています」。おいしいグルメを味わい、部屋の掃除や観葉植物を見てほっこりすることで気分転換しているという。

レースに向けてのルーティンがある。「チームがサーキットで戦うのは毎戦が勝負であることをしっかり意識することを心がけています。レース前日には、初めてサーキットに立った時の写真などを見返したりして、初心を忘れずに、今この場所、この瞬間を大事にしなきゃって、再確認しています」。ストイックな一面をのぞかせる。

ファッションに興味があり、以前に洋服のデザインを手がけた経験もある。

「所属チームごとにコンセプトに基づいてレースクイーンのコスチュームが作られています。専門的な知識にはまだまだ乏しい私ですが、コスチュームを実際に着ることで毎回パワーをもらっています。誰しも感じることだと思いますが、お気に入りの服を着ることで、気持ちが高まったり、うれしくなったり、落ち着くことがあるなど、変化をもたらす効果はたくさんあります。また、服に限らず、所属する団体やチームなどを表す特徴的なカラーは、一体感や団結力を示しているとも思っています。私なりにそんな目線からの発信を通して、よりチームの魅力をお伝えすることができたらと考えています」。1つ1つの答えが丁寧で、真面目な性格が伝わってくる。

黒を基調とし、スタイリッシュなデザインのARTA GALSのコスチュームはぴったりお似合いだ。初めて袖を通した感想について、「私にフィットしています。女性特有のボディーラインがきれいに出せて、ハイウエストなタイトスカートは足長に見えるので、すごくいいですね」と笑顔満開だ。

チーム・ファン一丸となった活動を目指している。「所属させていただいたご縁を大切にして感謝の気持ちを忘れずに、一生懸命、誠実に取り組んでいきます。幸いにも、5人のすてきな先輩がいらっしゃるユニットの一員ですし、伝統あるチーム、熱い応援をしてくださるファンの方がたくさんいらっしゃいますので、一丸となった塊として臨んでいくことで、2024年バージョンの融合と進化が必ず伝わると思っています。チームには今シーズンから新しい車両が配備され、1つ1つがその歴史に刻まれていく場にいれることは貴重なことですし、私目線から発信できることの中で、少しでもその魅力やすごさを多くの方と共有できるよう務めていきたいと思っています!」と熱く語る。

「特に女性の方にちょっとでも興味や関心を持ってもらえる、1つのきっかけになれたら」

自身の将来像を思い描く中で、貫く信念がある。「夢をかなえるためには、毎日コツコツと1つずつ取り組む先に、将来がハッキリ見えてくると思っています。私自身、妹が3人いる4姉妹の長女として生まれました。だからこそ、先輩や既に活躍されている方の背中や立ち振る舞いは常に憧れで、目指すべき姿として学び、ああなりたいと思ってきました。この世界を目指したのも、出会いがきっかけとして縁がつながり、今に至っています。仮に直近の夢と言うならば、私がほれて入ったことができたこの世界、レースクイーンの魅力やモータースポーツの感動などを、妹たち含めて、特に女性の方に何らかのカタチで発信することから、ちょっとでも興味や関心を持ってもらえる、1つのきっかけになれたら、うれしいなと思っています」。輝く未来へ、また新たな一歩を踏み出した。

ARTA GALSは「Aggressive & Passion」を掲げ、美しさ・強さを表現する「BEAUTY」、姿勢や所作などを示す「PROFESSIONAL」、そして笑顔やおもてなしの「HOSPITALITY」の3つの構成要素の体現者として活動している。

2024年シーズンは、真木しおり、はらことは、木村理恵の3人が引き続き参加。新たに一之瀬、川瀬もえ、広瀬晏夕が加わり、6人体制でレース場を彩る。吉原知也

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