宮崎駿監督作品、中国清明節連休中の興収をけん引

宮崎駿監督作品、中国清明節連休中の興収をけん引

9日、北京市西城区の映画館に設置された「君たちはどう生きるか」のポスター。(北京=新華社記者/許芸潁)

 【新華社北京4月9日】中国映画市場の清明節連休(4~6日)の興行収入は8億4100万元(1元=約21円)を超え、2021年の同期間の8億2200万元を上回り過去最高を更新した。映画データプラットフォームの最新データによると、日本のアニメ監督の宮崎駿氏が脚本と監督を手がけた「君たちはどう生きるか」が3億9千万元の興収でランキング1位となり、ハリウッド作品の「ゴジラxコング 新たなる帝国」は約2億4千万元で2位だった。

 中国の映画市場は例年、春節(旧正月)明けから5月の労働節(メーデー)連休前までは閑散期となるが、今年は複数の海外映画が口コミによって中国本土で高い興収を獲得、清明節期間の興収を過去最高に押し上げ、中国映画市場の包摂力と活力を示した。

 「君たちはどう生きるか」は中国の交流サイト(SNS)でも大いに注目を集めた。同作は23年7月に日本で公開され、今年に入って米ゴールデングローブ賞のアニメーション映画賞と米アカデミー賞の長編アニメーション賞を続けて受賞した。中国本土では公開前からソーシャルサイト「豆瓣」で8点以上(10点満点)の評価を付けた。

 北京大学影視戯劇研究センターの陳旭光(ちん・きょくこう)主任は、「親しい人との別れにどう向き合うか」という同作のテーマが先祖を供養する清明節にふさわしかったことと宮崎駿氏の中国での高い人気が、清明節期間の好成績につながったと分析した。

 中国のオンラインチケット販売大手、猫眼娯楽が運営する興行データ分析アプリ「猫眼専業版」によると、3日に中国本土で公開された「君たちはどう生きるか」の累計興収は7日午後時点で5億元を超え、19年に公開された「千と千尋の神隠し」の4億8800万元を上回り、中国本土で公開された宮崎作品の中で最大のヒット作となった。

 3月29日に公開された「ゴジラxコング 新たなる帝国」は清明節連休期間中も力強い興収の伸びを持続し、累計興収はすでに6億6千万元に達した。

 陳氏によると、映画は中国人の休日レジャーの主要な選択肢の一つとなっている。5日間ある5月のメーデー連休でも、映画市場は安定した目覚ましい興収の伸びが見込まれるという。

 映画業界ウオッチャーで映画館運営会社社長の董文欣(とう・ぶんきん)氏は中国の映画市場について、チャンスがあふれているので、ストーリーさえ良ければ中国映画でも外国映画でも作品のスケールに関わらず観客の好評を得ることができると指摘した。

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