1か月早くダムに川の水 暖冬で農業用水の不足懸念

この冬、雪が記録的に少なかったことで心配されているのがこの先田んぼを潤す農業用水の不足です。横手市にあるダムでは毎年予め川の水を引き入れて農業用水を蓄えていますが、今年は十分な雪解け水が期待できないことから1か月余り前倒しして9日から水を引き入れ始めました。コメづくりの本格化を控え異例の対応で備えます。

横手市中心部から南東に8キロほど、横手市山内平野沢にある農林水産省が管轄するあいののダムです。上流の岩野目沢川と山内黒沢川からの水を貯え横手市北部と美郷町南部、それに大仙市の一部の田んぼ、およそ3200ヘクタールに農業用水を供給しています。

9日は、あいののダムから東におよそ2・5キロにある取水口=頭首工のゲートを開け山内黒沢川の水をダムへと引き入れ始めました。

ゲートが開くとダムにつながる水路に勢い良く水が流れ込んでいきました。この時期にダムへと水を引き入れるのは異例です。

秋田県南旭川水系土地改良区 木村聡 事務局次長「本来は5月16日からでなければ取水できないがどうしても今年は暖冬また少雪ということもあり、雪解けが早く水不足になるのを懸念してお願いした」と説明しています。

例年、周辺にはこの時期でも1メートルを超える雪が残っているといいますが今年は北側の斜面に残る程度です。8日夜からの雨で9日は川の水も豊富ですが今後、十分な雪解け水が期待できないことから水の引き入れを例年よりも1か月余り前倒ししました。

田んぼを潤す水の多くを雪解け水に依存する地域。異例の時期からの対応で川を流れる水の量を維持しながら水の需要期コメづくりの本格化に備えます。

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