家計を預けている妻にお金のことを話すと不機嫌になります。「タブー」のままでよいのでしょうか?

お金のことを話せる夫婦ほど「幸せ」を感じるデータもある

お金の管理を妻に一任している夫婦は、情報共有がクリアになっていないケースが考えられます。夫がお金に関する相談を持ち掛けても、妻は「普段はまかせっきりにしているくせに、今更何だ?」という感情を持ちやすいためです。

お金に関して気軽に相談できない夫婦は、コミュニケーションが不足していることが原因の可能性があります。お金は普段の生活を送るうえで根幹となる要素である以上、日ごろからコミュニケーションをとって情報共有することが欠かせません。

実際に、松井証券株式会社(東京都千代田区)が行った、「婚活とお金事情に関する実態調査」(調査時期:2023年11月、調査対象:20~40代の男女で婚活中300名、婚活経験者300名)によると、お金やライフプランについて話せている家庭の約7割が「夫婦仲がよい」と回答しています。お金は人生に欠かせない大切な話題であるからこそ、きちんと話せる関係を構築することが重要といえます。

なお、婚活経験者300名に対して「結婚前にもっと話しておけばよかったと思うこと」を質問したところ、多かった回答は以下のとおりでした。

__●「お金について」:35\.0%
●「ライフプランについて(子ども有無など)」:30.3%
●「家事について」:25.7%__

実際に結婚した夫婦の多くが、「結婚前にお金の価値観やライフプランについて話しておけばよかった」と考えているようです。この点からも、できるだけ早い段階でお金について話し合う意義は大きいといえます。

マネープランを立てるのに遅いはない! 今すぐやるべきこととは?

マネープランを立てるにあたって、遅いということはありません。思い立ったタイミングから、マネープランの立案に着手すべきでしょう。状況を放置しても、よいことはありません。「なぜマネープランの立案ができていないのか」「なぜスムーズにお金の話し合いができないのか」を把握したうえで、必要な対策をとりましょう。

例えば、長年にわたって家計管理を妻に任せていた家庭であれば、妻からすると「今までずっと私に管理させてきたのだから、今更口出ししないでほしい」「大してお金に関する知識もないくせに、出しゃばらないでほしい」という感情を持つでしょう。

いきなり夫が「今年から新NISAが始まったから、資産運用を始めたい」などと切り出しても、妻からよい顔をされないのも無理はありません。

このような場合、今からやるべきことは信頼関係の構築です。夫婦関係が長いと「今更関係構築といわれても」と思うかもしれませんが、妻からよい顔をされないのは、信頼関係ができていない・コミュニケーションが足りていないという原因が考えられます。

日ごろから「今月の収支はどうなっているのか」「現在の資産はどの程度か」など、お金に関する情報共有をしましょう。また、家計管理を一任してきた家庭の場合、妻のほうがお金の管理術に詳しいケースが考えられます。

そのため、「今まで家計管理をしてくれてありがとう」という謝意を伝えつつ、「家計管理に詳しい立場から見て、今の状況はどう思うか」など相手を立てるようにアドバイスを求めるとよいでしょう。

まとめ

専業主婦世帯や妻がパート就労で勤務時間が短いという世帯では、妻が家計管理を行うケースが多いでしょう。長年にわたって家計管理を一任すると、後々になって夫が「資産運用を始めたい」「お小遣いを上げてほしい」などの相談をしても、よい顔をされない可能性があります。

お金の相談を円滑に行うためにも、日ごろからコミュニケーションをとることが欠かせません。マネープランの立案は早ければ早いほどよいため、ぜひ今日から信頼関係の構築とコミュニケーションの活性化に着手してみてください。

出典

松井証券株式会社 婚活とお金事情に関する実態調査

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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