ユーロ圏の銀行、住宅ローン承認基準下げも資金需要は減=ECB

[フランクフルト 9日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)が9日発表した四半期「銀行貸出調査」によると、ユーロ圏の銀行は1─3月期に住宅ローン承認基準を2年余りぶりに緩和したが、借り入れコストの上昇と経済の停滞を背景に資金需要は引き続き減少した。

企業の資金需要の「大幅な減少」と住宅ローン需要の「小幅な減少」が報告され、ECBは「金利上昇のほか、企業設備投資の減少、家計の消費マインドの低下が融資需要を押し下げた」と説明した。

ただ、銀行は4─6月期には改善すると予想。企業向け融資の需要は「緩やかな純減」にとどまり、家計向け融資の需要は増加すると見込んでいるという。

銀行がECBの利下げを予想する中、新規住宅ローンの金利は低下。このため銀行の記録的な利益にも終止符が打たれると見られている。

ECBは「引当金と減損による緩やかなマイナス寄与とともに、今後6カ月間に予想されるECBの金利決定に伴う悪影響も、銀行全体の収益に波及する」とした。

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