2024年度就任の新教育長に聞く さまざまな課題が山積みの県内の学校教育現場について【徳島】

2024年度、徳島県教育委員会の新しい教育長に中川斉史さんが就任しました。

新教育長の中川斉史さんは、徳島県東みよし町出身の58歳。

高知大学教育学部を卒業後、1990年から小学校教諭、2023年4月からは東みよし町の昼間小学校の校長を務めていました。

小学校の先生から県教委の教育長になったのは、実は初めてだということです。

「タブレット問題」「学区制」など、さまざまな課題が山積する県内の学校教育について、中川新教育長から野口七海アナウンサーがお話を伺いました。

「タブレット問題」については...中川教育長は情報教育のスペシャリスト

(野口七海アナウンサー)

「まず、教育長に就任した今のお気持ちを教えてください」

(徳島県教育委員会教育長に就任 中川斉史さん(58))

「毎日、『次はこれです』『次はこれです』の話の繰り返しで、だんだんとこんな風な形で仕事をしていくのかと分かってきたんですけど」

4月から、県教育委員会の教育長に就任した中川斉史さん。

2023年、東みよし町の昼間小学校で校長を務めるかたわら、県の教育DX加速化委員会で副委員長を務めるなど、情報教育のスペシャリストです。

いま県内の教育現場で最大の懸案であるタブレット問題について、かじ取りが期待されています。

(野口七海アナウンサー)

「タブレット問題についてはどのように対処していきたいですか?」

(徳島県教育委員会教育長に就任 中川斉史さん(58))

「不足している部分っていうのは、本当に心が痛いところであります。折角やろうとしている先生方とか生徒たちにちょっと待ってていうのは、教育者として一番辛いところなんですよね」

(野口七海アナウンサー)

「納入業者の四電工では、端末に問題があるわけでなくて保管方法に問題があったという回答があったと思うんですけど」

(徳島県教育委員会教育長に就任 中川斉史さん(58))

「学校の中にいる先生方って、もちろんコンピューターに詳しい先生方がたくさんいるわけじゃないので、どういう風に取り扱うかとかそういう所はやっぱり多分、同時に入れたから手間を省く部分はあったと思うんですけど、なんかそういう所は大事だったと私は思ってるので」

(野口七海アナウンサー)

「いろいろな県で端末が導入されている上で、徳島だけこういう風になるっていうのは、やっぱり何か...」

(徳島県教育委員会教育長に就任 中川斉史さん(58))

「そうでしょ。結局そうなってくると、端末に問題があったんじゃないかって話も出てきていますけどね。これは本当に詳しく調べてみることも必要なんですけども、それをしたところで次、話をしていかないと。待ってるのは子どもたちなので。一番早く解決する方法は何なのか、それを最優先でいきたいと思います」

「学区制」については...受験するときの中学生の気持ちを

もう一つの大きな課題が「学区制」です。

県内の公立普通科高校はエリアごとに3つの学区に別れていて、別の学区に進学する生徒数が制限されている現状があります。

(徳島県教育委員会教育長に就任 中川斉史さん(58))

「かなり地域性がある話題なので、そこだってそこらにいる子供たち、保護者もそうですけど、どういう思いなのか。そういう所も踏まえて、深い議論は必要なんだと思います。ただこういう、大人の事情っていうか、一番影響を受けるのは子どもたちなんで、今の中学生が受験するときに、『自分が行きたい学校がここだから』っていうのは大事にせなあかんと思います」

「校則」については...子どもたちが主体的に校則を見つめていくことに期待

(佐々木聖夏記者)

「今回の校則の見直しのポイントは、生徒が主体で行うということです」

校則もテーマのひとつです。

文部科学省は「生徒の意見を聞きながら、見直しを行っていくこと」とし、県内でも生徒主体で見直しが進められました。

(徳島県教育委員会教育長に就任 中川斉史さん(58))

「説明できない校則は、きっと校則としては成り立たないんじゃないか。そう考えてみると、こうやって決まってるけど何でって言われたら、理由がちゃんと喋れるかどうか?喋れないのは多分、見直すべきなんだと。ただ、外してならないのは集団生活だっていう所があるんですよ。何でもOKかどうかって、その辺りって高校の場合、生徒たちが考えますよ。子どもたちが主体的に校則を見つめていく、それに期待をしたい」

「『令和』の時代の教育」

(野口七海アナウンサー)

「長年、学校の先生を務められていて様々な時代の変化を見てきたと思いますが、今の令和の時代の教育をどう思いますか?」

(徳島県教育委員会教育長に就任 中川斉史さん(58))

「先生がすべて、たくさんのことを知っておいてそれを小出しにしていくというのが、今まで平成時代までだったんですよね。令和になってからは、先生が一番よく知っているとかじゃなく、子どもの方がよく知ってたりね、そこはすごくある。子どもたち自身がどうやって勉強してくればいいか、どういうことをまとめていけばいいか、いわゆる学び方、そこをナビゲートするとかが教師の姿っていう風に変わってきていますね。明るい未来を提示したい。今の社会の話を聞いていたら暗い話ばっかりですけど、未来は自分たちで作れるよって、そこを示してあげたいなっていう風に思っています」

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