「受忍の限度を超えている」 米軍機の飛行ルート直下の島 広島・阿多田島で市民グループが騒音実態調査 被害の深刻さ訴え

広島県大竹市の阿多田島で岩国基地の米軍機の騒音について調べた市民グループが会見し、「被害は深刻」だと訴えました。

実態調査をしたのはアメリカ軍岩国基地の機能強化に反対する廿日市市と岩国市の市民グループです。

阿多田島は基地から近く、米軍機の飛行ルートの真下にある島です。

2018年の空母艦載機の移転で、騒音被害がより深刻になっている実態を広く知らせようと実施しました。

2月に84世帯全てに調査書を配り、6割を超える52世帯から回答がありました。

それによりますと、▽騒音がうるさいと感じる時間帯は「一日中」とした人が44%あまりで、▽「ラジオなどが聞き取れない」「電話がさえぎられる」と答えた人が77%を超えました。また、▽およそ半数が「墜落の不安や恐怖」を感じていて、▽空母艦載機の移転以降、「騒音がひどくなった」と答えた人は9割近くに上りました。

瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク 久米慶典 事務局長
「阿多田島の被害は受忍の限度を超えている。市街地の岩国と比べるとひどい被害。滑走路の沖合移設、空母艦載機の移転、岩国基地の機能強化が阿多田島のみなさんの生活を直撃している」

市民グループは調査結果を近く大竹市に提出し、騒音問題の解決につなげたいとしています。

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