「死ね」「消えろ」などの悪口に暴行など 奈良教育大附属小学校でいじめ 児童は転校

奈良教育大学附属小学校の児童が同級生に悪口を言われたり、殴られたりするなどのいじめを受け、転校していたことが分かり、9日大学が調査結果を公表しました。

それによりますと奈良教育大学附属小学校に在籍していた男子児童は、3年生だった2022年から転校する直前の4年生の1学期まで同級生から「存在ない」「死ね」「消えろ」などの悪口を言われたり、複数の児童から殴る、踏みつけるなどの行為、持ち物を盗まれたり捨てられたりするなどの行為を受けたということです。

男子児童は4年生になった2023年5月から連続して欠席するようになり、2023年8月に奈良市内の小学校に転校したといいます。

事実調査を行った調査委員会では、2024年3月まで被害児童や保護者、同級生、学校関係者などのヒアリングを行い、児童が心身の苦痛を感じた10項目以上の行為について「いじめ」と認定しました。

奈良教育大学 宮下俊也学長

「今回の事案は極めて遺憾なものとして大学・附属小学校ともに受け止めて、改めて被害児童および保護者の方にお詫びを申し上げるところです」

報告書では問題点として、附属小学校では、いじめ防止などのために校内に設置する組織の機能が明確化されておらず、また2022年5月には被害児童の保護者から相談を受けて、担任の教諭らは事態を把握していたにも関わらず、「いじめ」への認識が甘かったため、組織的な対応を始めるのにおよそ1年かかったことなどをあげています。そして、附属小学校の校長が問題を把握したのは児童が転校を希望した小学校の校長からの連絡で、転校前に重大事態として対処することを検討すべきだったとしています。

被害を受けた児童の父親は、調査報告書の所見を発表し児童が担任に仲間はずれを訴えたときに、「気のせいでしょ」と言われたくだりが抜け落ちていることなどを指摘しました。そして不備を訴えたところ「確定された調査報告書である」として訂正できないと回答を受けたといい、「いったい誰のための調査であったのか首をかしげざるを得ない」とコメントしています。

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