「僕たちは年寄りだけど金メダルだ!」ジョコビッチ&ボパンナ、単複同時に史上最年長1位に立った2人が対談<SMASH>

男子テニスのシングルス世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア/36歳)と、ダブルス世界ランク1位のロハン・ボパンナ(インド/44歳)。史上最年長1位記録を持つ2人の王者が、出場中の「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」(4月7日~14日/モナコ・モンテカルロ)の練習会場で語り合った。

5月22日に37歳になるジョコビッチは、4月7日時点の世界ランクで1位をキープし、ロジャー・フェデラー(スイス)が持つ史上最年長1位記録(36歳と320日)を更新。ボパンナは今年1月29日に初めて世界1位となり、マイク・ブライアン(アメリカ)の41歳76日という記録を大きく塗り替えていた。

そんな2人は、ATP公式サイトによる対談に臨むと、にこやかな表情で語っている。

ジョコビッチ:「僕たち2人は合わせて80歳。半々ではなくて彼の方が上回っている。でも、僕たちはまだまだ強いと思うよ」

ボパンナ:「テニスはたくさんのことを教えてくれる。そして思うに経験が物をいうんだ」

ジョコビッチ:「経験もそうだけど、日々テニスに身を捧げているということ。(ボパンナが)ジムでずっと過ごしているのを見ているし、以前よりも理学療法士に診てもらう回数も少し増えたと思う。これほど長い間、あなたとツアーを共有できたことは素晴らしい。揃って最年長ナンバー1になるなんて信じられないよ」
さらにジョコビッチは、ボパンナの母国のテニスについても言及。

「セルビアのテニス界にとっても、インドのテニス界にとってもスゴイこと。近いうちにインドで何かできるといいね。プレーするのが本当に楽しみだよ。

インドは世界最大の人口を抱える大国であり、あなたが成し遂げたことによって、私たちのスポーツがさらに人気を集めるのは非常に重要だ。あなたはサニア・ミルザやマヘシュ・ブパシ、リアンダー・パエスと共に道を切り開いたんだ」

ボパンナへの賛辞を惜しまないジョコビッチは、実はこれまでニューデリーやチェンナイ、プネーで開かれてきたインドでのツアー大会に出場したことがない。プレーしたのは2014年12月の「インターナショナル・プレミア・テニス・リーグ」でのフェデラー戦が最後だ。この時はUAEロイヤルズの1人として、ボパンナも所属していたインディアン・エースズのフェデラーとニューデリーで対戦したのだった。

ボパンナと同じく、体調管理のためヨガを生活に取り入れているジョコビッチ。近い将来にインド再訪が実現しそうだ。

終始笑みをたたえた2人の王者は、対談の最後に力強く言った。

「僕たちは年寄りだけど金メダルだ。僕たちにはまだまだ時間がある」

構成●スマッシュ編集部

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