晴海の巨大「TOKYO」モニュメントに「人が登って危ない」批判 「BE KOBE」ではどうだった?

晴海ふ頭公園(東京都中央区)にお目見えした巨大モニュメントが波紋を広げている。「TOKYO」とデザインされ2024年3月30日、ライトアップで披露されたのだが、SNSでは「子供の多い場所に危ないもの作んなよ」という声や実際に子どもが登っていたという目撃談があがり、批判が寄せられている。

巨大モニュメントといえば、「メリケンパーク」(神戸市中央区)に設置されている「BE KOBE」が有名だ。東京で懸念されているような問題は起きなかったのか。管理する神戸市港湾局神戸港管理事務所担当者に詳しい話を聞いた。

「実際、私が見ていた10分ほどの間でも、子どもたちが登って遊んでいました」

「TOKYO」の巨大モニュメントは、東京オリンピック・パラリンピックの選手村跡地にある「晴海ふ頭公園」に東京都が設置した。建設費用は約1億6000万円だ。

3月30日にライトアップで披露されると、Xでは「子供の多い場所に危ないもの作んなよ」「ほんとこれはアカンヤツだわ」「子供達が遊ぶ場所にできるので危ないと言う意見はよく分かる」「いくら注意書きをしたところで、この設計では、子供がベンチ側から登ってモニュメントに降りるのは当たり前で、KやYにも登るでしょう」などと批判の声が寄せられている。

中央区議会議員の青木かの氏は、モニュメントの危険性をブログで指摘している。

「遊具広場がすぐ近くにあるので、このモニュメントも子どもたちにとっては格好の遊び場となります。
実際、私が見ていた10分ほどの間でも、子どもたちが登って遊んでいました。正確にいうと登るというよりよじのぼるです」

と説明。モニュメントの前には「モニュメントを利用されるみなさまへ 注意!気を付けてあそびましょう!TOKYO(文字)には、のぼらない・とびおりない」といった注意書きが設置されているが、多くの子どもは気づいていないとも指摘している。

東京都に寄せられた苦情は「数件」

中央区議会議員の高橋元気氏は4月8日にXで、モニュメントについて

「そもそも物理的に子供が登れてしまう時点で、初めから遊具として設計すべきだったのではと思います。引き続き東京都には状況を見て頂きますが、地域の皆様も危ない状況を見かけたら直接お声がけ頂ければと思います」
「子どもは遊びの中で冒険したり挑戦したくなるものです。重大な事故にならないよう大人達が見守ってあげる事も大切ですし、行政としても地域ボランティアが見守りながら少々危険性もある遊び方が出来るようなプレイパークの整備をする事も必要だと思います」

と投稿している。

では、実際に苦情は来ているのか。モニュメントを管理している東京都港湾局の担当者は4月5日のJ-CASTニュースの取材に対して、「子どもが登っている」「子どもが登ったら危ない」といった苦情が「数件」来ていることを明らかにした。事故については「今のところ起きていない」とした。

「登ったら危ない」という意見があることについては「我々としては公園を訪れた多くの方にモニュメントやレインボーブリッジを背景に写真撮影するなど楽しんでいただいていると考えております。ただ安全管理には引き続き配慮していきます」と理解を求めた上で、

「今後とも多くの方に公園をご使用していただきたいと思っています」

と話した。

神戸では「当初は人が登って問題となったが、当時から現在まで事故は起きていない」

メリケンパークに「BE KOBE」の巨大モニュメントが設置されたのは17年。4月5日のJ-CASTニュースの取材に応じた神戸市港湾局神戸港管理事務所の担当者によると、「モニュメントが披露されてから、一般の人から『登っている人がいる』と苦情があったと思います」。当初、実際に登る人がいたため、補修工事と注意喚起をしたという。事故の有無については、「正確にはわからない」としつつ、「当初は人が登って問題となったが、当時から現在まで事故は起きていない」とした。モニュメントに登ったことによる怪我人の有無はわからないと回答した。

最近は指定管理会社の人が巡回しており、登る人は見かけていないという。

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