兵庫・飾磨署、証拠品200点を所有者に返却せず 窃盗事件の容疑者宅から押収、免許証やキャッシュカードなど

兵庫県警飾磨署=姫路市飾磨区中島

 兵庫県警は9日、飾磨署刑事1課が窃盗事件の容疑者宅から押収した免許証やキャッシュカードなどの証拠品約200点を被害者らに返却していなかったと発表した。全て事件から7年の時効を経過しているといい、持ち主が特定できる証拠品については事情を説明し、謝罪して返却する。

 県警刑事企画課によると、証拠品は2015年10月~16年6月に飾磨署が車上狙いなど約30件を摘発した容疑者宅で押収し、現金や貴金属はなかった。約300点あり、捜査を担当した1人目と2人目の警部補が約100点を返却したが、22年3月に3人目の警部補が引き継いでからは滞っていたという。

 持ち主が判明している証拠品について、県警の内規では「早期に還付する」と規定している。3人目の警部補は「日々の事案で忙しく、手が回らなかった」と話しているといい、刑事企画課の八木恭平次席は「事件への認識が薄くなっていた」と説明した。

 24年3月中旬、異動が決まった警部補が引き継ぎ書類に「還付未了」と記し、上司の刑事1課長によるチェックで発覚した。被害者らからの訴えは確認されていない。県警は3月下旬から全署で証拠品を緊急点検したが、同様の事例は見当たらなかったという。

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