【阪神】村上頌樹〝復活〟の1勝 淡路島パイセン・近本の美技に感謝「本当に助けられました」

ヒーローインタビューに決勝打の近本光司(左)とともに選ばれた阪神・村上頌樹

阪神は9日の広島戦(甲子園)に1―0でシャットアウト勝利。今季最短となる2時間28分のショートゲームを制し、5勝5敗の勝率5割に星を戻した。

投のヒーローは文句なしで先発・村上頌樹投手だ。前回登板のDeNA戦(2日、京セラドーム大阪)では3回7安打5失点とまさかの大炎上を喫し敗戦投手となってしまっていたが、この日は昨季の新人王&シーズンMVPをW受賞した「虎の村神様」の名にふさわしい、7回2安打1四球無失点という抜群の投球内容を披露。今季1勝目をマークした。

抜群の制球力に加え、この日は球速80キロ台のスローカーブも有効に作用。「速い球と緩い球を分けながら投げることができた。そのへんがハマったのかな」と試合後は手応えをにじませた。「直球の質ももう少し上がってくると思う」。状態はまだまだここから上がっていきそうだ。

その村上を攻守で助けたのが同郷・淡路島の先輩にもあたる近本光司外野手。初回に先頭打者として打席に入った野間は中前へポトリと落ちそうな浅い飛球を放ったが、これを中堅の守備に就いていた近本がダイビングキャッチ。直近3年連続でゴールデン・グラブ賞を受賞している外野守備の名手がいきなりの美技でマウンド上の後輩を援護した。「あそこがツーベースになるかアウトになるかでだいぶ違ったと思う。本当に助けられました」と村上も感謝の言葉を忘れなかった。

5回一死二塁の好機で第3打席に入った近本はこの日唯一の打点となる決勝の右前適時打もマーク。試合後に村上とお立ち台に上がると「『ここは打たないとな』と思っていた。試合前にロッカーで(村上と)『そろそろ2人でお立ち台立とか』って話してたんで良かったです」と白い歯をこぼした。

村上も「とても頼りにしているので次の試合もお願いしたいです」と近本パイセンへ最敬礼。〝淡路兄弟〟の絆の深さを4万2601人の大観衆に見せつけた。

© 株式会社東京スポーツ新聞社