「覚悟の２球」を投じた。巨人の高梨雄平投手（３１）が９日のヤクルト戦（鹿児島）に１点リードの６回二死満塁から救援登板し火消しに成功した。
出番はすぐにやってきた。この日に一軍登録された高梨は、６回に二死満塁とピンチを招いて降板した先発・山崎伊に代わってマウンドへ。今季一軍初登板から緊迫した場面での発進となった。
それでも冷静さを欠かさず、西川を相手に初球から外角への変化球でストライクを取ると、続く２球目でニゴロに打ち取って危機を脱出。グラブを叩きつけながら雄たけびを上げ、喜びを爆発させた。
高梨は「キャンプからファームでやってきて、今季初登板があの場面。『ここで抑えなかったら今年終わりだな』と思って、全球勝負球の気持ちでいったことが結果としてよかった」と回顧。
また、前日に会食を共にした後輩・泉との会話も好投の一助となったようで…。「『リリーフって全部三振を取りにいく方がいいよね』という会話をして。それが僕の中ですごくしっくりきた。楽天との時も松井（現パドレス）と『リリーフは三振取ってなんぼだよ』っていう話はよくしていて。忘れかけてました」と舞台裏を明かすとともに、原点回帰のきっかけが生まれていたことも告白した。
左腕は「まだまだ１試合目なんで」と謙遜したが、鉄腕リリーバーの一軍復帰は阿部巨人にとって何より心強い好材料。今後もチームの危機をその腕で救っていく覚悟だ。
