県有林巡視中に遭難の男性 群馬・榛東村の山中から遺体で見つかる

 9日午後3時50分ごろ、群馬県榛東村広馬場の山中で、前日から連絡が取れなくなっていた県渋川森林事務所の男性職員(60)の遺体が見つかった。8日夕方に通報を受け、県警渋川署が捜索を開始。9日午後からは消防などを含め計37人態勢で捜索していた。

 同署などによると、男性が見つかったのは、相馬山から南東約1キロの地点。渋川市伊香保町伊香保の榛名県有林に隣接するエリア内とみられる。県防災ヘリが見つけ、その後、身元が判明した。

 男性は8日朝から同県有林で1人で巡視作業をしていた。同日午後3時ごろ、標高1200メートルほどの場所から妻に交流サイト(SNS)を通じてメッセージを送ったのを最後に、連絡が取れなくなっていた。

 県によると、男性は今月1日に火災や病虫害の予防などを行う県有林巡視員に採用されたばかり。2日までは前任者と一緒に巡視ルートを回り、3日からは1人で県有林の境界の確認作業をしていた。

 巡視員が山で遭難する事例は初めてとみられ、県は原因を調査して必要な対策を講じる方針。山本一太知事は「同志である県職員が巡視中に亡くなったことは痛恨の極みで、残念でならない」とコメントした。

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