熊本県山都町の国宝・通潤橋で6日、2024年度の放水が始まった。小雨の中、傘を手にした観光客らが、豪快な水のアーチを楽しんだ。
通潤橋は1960年に国の重要文化財に指定された。2016年の熊本地震や18年の豪雨で被災したが、20年に復旧。23年9月に「技術的完成度の極めて高い、近世石橋の傑作」として国宝に指定された。
6日は放水前から多くの観光客が集結。午後1時に止水栓が抜かれて勢いよく水が噴き出すと、「わあっ」と歓声が上がった。
熊本市に住む次男一家と訪れた岡山県の女性(69)は、「何度見ても迫力に感動する。流域の石橋の中でも特に立派」と笑顔で話した。
24年度の放水は、5月中旬~7月中旬と12~3月を除き、週末を中心に110日ほど。橋上の見学は放水日の午前10時~午後3時まで。橋近くの通潤橋ミエルテラス物産館で観覧証を販売する。観覧料は町外の高校生以上500円、小中学生200円。(枝村美咲)