【広島】新井監督「起用しているのは自分」 悪夢の4戦連続零封負けも…選手を責めない胸中

厳しい戦いを強いられている広島・新井監督

赤ヘル軍団が不名誉記録に肩を並べてしまった。広島は9日の阪神戦(甲子園)に0―1で敗れ、リーグワーストタイとなる4試合連続の零封負けを喫した。

貧打は深刻で、この日も3安打と打線はつながる気配なし。試合後、さすがに重い空気を察した新井貴浩監督(47)は「野手も何とかしたいというのは、もちろん伝わってくる」と言い「起用しているのは私」「全部、私が起用している」と、あえて責任が自分に向くような談話を繰り返した。

もちろん、意図があってのことだろう。チーム関係者は「負け試合では必ず『打てなかった』『抑えられなかった』が出てくるけど、常にその試合だけで選手個人の評価を下すのが当たり前になると、そのたびに『犯人捜し』をするのが、風習になってくる。新井監督はそういうのを避けたいのだと思う」と胸中を推察した。

指揮官を右腕として支える藤井ヘッドコーチも、決して個人攻撃しない新井監督のやり方や思いを以前からこう説いていた。

「監督はチームを『家族』だと思っているし、自分(新井監督)はその家の主だと。家族の中で何か起こったら、それは『主が全部かばってあげないと、責任を取らないと』と思ってやっている。結果が悪かった時の責任はこちら(首脳陣)と。それは選手たちにも常々伝えている」

選手に対する信頼は不変だ。ワースト記録の更新だけは避けたいところで、ブレない指揮官の思いに報いるためにもナインの奮起が待たれる。

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